表現、創作、プロ
歳のせいか、若いアーティストのちょっとしたトラブルについて話を聞くことが多くなってきました。 毎回『あー、あるある』『いるいる、そういうやつ』と思いつつ、相談者さんに対応や捉え方などをアドバイスしているのですが、同時にトラブルを起こした方に…
レッスンでEAGLESの「Hotel California」やサンタナの「EUROPA」を教えていて気が付いたことがあります。 「Hotel California」のソロ、「EUROPA」の頭はどちらもブレイクしてフレーズが始まります。 ブレイクとは他の楽器が一旦演奏を止めることです。 EURO…
昨年末、作業のBGMに久々にボンジョビを聴いていたらハマってしまい、改めてボンジョビの凄さを認識しました。 何が凄いかって、2023年でも全然聴けることです。 特にびっくりしたのが「It's My Life」で、リリースは2000年ですが今年出した楽曲と言っても全…
2022年冬シーズンからスタートしたガンダムシリーズ最新作「機動戦士ガンダム 水星の魔女」が面白いです。 内容はもちろんですが、表現がとても硬派で時代に逆らっているところにサンライズの気迫を感じます。 昨今、アニメや映像表現が説明過多になっている…
アーティスト、クリエイターとタイパの関係性については前回の記事に書きました。 k-yahata.hatenablog.com タイパを上げれば膨大な作品が消化できるが中身が薄れる、一方中身を深掘りすると消化できる作品数が減ってしまう……。 古今東西のあらゆる作品を消…
タイパ タイパとはタイムパフォーマンスの略で、有効な時短を「タイパがいい」、無駄に時間を使うのを「タイパが悪い」と言うそうな。 詳しくはこちらの本に書いてあります(タイパが主題ではありませんが)。 先生、どうか皆の前でほめないで下さい―いい子…
ラジオを聞いていると、声優さんが「声優志望者が消えていく順番」について述べられており、面白かったので引用しつつ僕なりの解釈を交えて述べてみたいと思います。 声優さんが誰だったかは忘れました。 1、諦めた人 まず諦めた人が最初に消えていきます。 …
前回の記事 k-yahata.hatenablog.com 作品が世間に認められるためには100点ではダメ、そこからあえて0点を目指していったどこかに100点を超えるワープホールがあるという話でした。 本当に0点ではたぶんダメ ここで難しいのは、本当に0点だとそれはそれで0点…
僕の教室で作曲やアレンジなどを学びに来ている人にいつも言うことがあります。 それは「0点を目指して100点を超えろ」です。 これはなかなか理解してもらうのが難しいのですが、最近ようやくいい例が出てきました。 それがローソンの「だけ弁当」です。 new…
近年AIの進化はめざましく、とうとうイラスト精製AIまで登場しました。 キーワードを組み合わせたらAIがイラストを描いてくれるということで、イラストレーターは今後トップを除いて食えなくなるだろうと言われています。 当然イラストだけでなく、他のジャ…
教室に来ているプロを目指す若い子にほぼ必ず言っていることを改めてまとめてみました。 プロミュージシャンの素養 プロミュージシャンになるための素養って何だと思いますか? ちなみに素養とは「平素の修養によって身につけた技術や教養」と定義されていま…
昨今AIの進化はめざましく、とうとうイラスト精製AIまで登場しました。 ニュースにもなっていて僕も観たんですが、びっくりするぐらい綺麗で、しかも無料。 イラストレーターたちは「仕事がなくなる」と恐怖におののいているとかなんとか…… 今後、あらゆる分…
先日、久々に音楽番組の特番を観ました。 その中にある中堅アーティストが出ていて、20年近く前のヒット曲を歌っていたのですが、歌が始まった瞬間「え?」と絶句しました。 J-POPにありがちな元気を与える系の曲なのですが、全然元気がなく、誰がどう見ても…
私見ですが、今からプロギタリストを目指す人には何十年に一度の大チャンスが目の前に転がっていると考えられます。 先に結論をまとめると、 ギターヒーローの時代は終わりつつある →ギターが目立つ音楽はもう流行らない →アンサンブルにおけるギターの需要…
横浜のギター教室でフレーズのコピーを教えていると、ある段階で表現が課題となります。 例えばクラプトンのCross Roadsを弾いているとしましょう。 最初は指が追いつかなかったりピッキングが詰まったり空振りしたりしますが、フォームを整えていけばだんだ…
仕事というものはだいたい分担作業になっています。 自分がやることをやって後は別の担当に渡す。 その作業をどういうマインドで行うかでその先の広がりや自分への評価が変わってきます。 特にフリーの人は。 例えばギターのレコーディングがあるとします。 …
横浜のギター教室でプロになりたての生徒さんがいますが、実践的なコードヴォイシングを教えていたところ、バッキングがめきめき上達し、今では周りのギタリストがついて来られないほどギターのコードワークに精通するほどになりました。 何を教えたのかとい…
最近減りましたが、以前は関西や横浜のギター教室で定期的に「自分には才能がありますか?」と訊いてくる人がいました。 なんと答えていたかは忘れましたが、そもそもそういった質問をする人は努力してない人が多かったので、その前にやることあんだろ?と思…
昨日tiktokを見ていると、「音羽」という文字と悲しげな動画が大量に流れてきて、わけもわからず情報をたどっていくと、以下の出来事があったことが分かりました。 ・48(フォーエイト)というグループがある ・彼らの出した楽曲「TikTik Winter 2021」が炎…
最近約30年ぶりにイーグルスのホテルカリフォルニアをコピーしていました。 k-yahata.hatenablog.com 記念に動画にしておきます。 youtu.be iphoneにSHUREのコンデンサマイクを挿して一発撮りです。 ギターはプロト改、アンプはROLAND Blues Cube、エフェク…
何かが好きで、その道のプロになりたいと思う人は多いと思います。 横浜ギター教室にもそういった人が相談に来られます。 プロを目指すとき、いろんなやるべきことがありますが、僕がひとつおすすめしておきたいのは「好き」と距離を置くことです。 というの…
今もクラシックの世界では、子供をミュージシャンにしようと、3歳ぐらいから音楽教育をはじめる親が存在します。 たまにロックやジャズにもそういう親がいますが、クラシックがほとんどでしょう。 それ自体は各家庭の方針なので別にいいんですが、ひとつだ…
僕は挨拶にはあんまりうるさい人間ではありません。 挨拶の重要性を説く人が日常的に暴力を振るっていたり、自分に挨拶をしなかったというだけでその人の人間性を全否定している輩を見てきたので、きちんと挨拶できる人がそれだけで人間的に素晴らしいとはあ…
平成聖母 先日購入した大友昇平氏の「平成聖母」、 k-yahata.hatenablog.com 毎日眺めていたら、だんだんこの作品の隠された構造や象徴が見えてきたので、解説してみます。 構造 「平成聖母」は、一見するとギャルっぽいねーちゃんが平成のキャラを体に彫り…
2021年現在は、アマチュアの時代です。 正確に言うと、プロとアマの垣根がなくなった時代。 誰でもいきなりYOUTUBEで自己主張でき、技能販売サイトで仕事が取れる時代に、もはやプロもアマもないというのが今の感覚でしょう。 僕もYOUTUBE動画を観るとき…
大友昇平というアーティストをご存じでしょうか? あの「AKIRA」の大友克洋氏の息子さんです。 随分前に天才としてネットで話題になっていた記憶がありますが、最近昇平氏の活動をYOUTUBEか何かで見て、気になっていました。 そんな中、「平成聖…
楽器を練習し、だんだんレベルが上がってきてそれなりに活動できるようになってきたとします(プロかどうかは別)。 すると、どこかの時点で、必ず見えない壁が現れます。 技術も知識もそれなりにあるし、活動もできている。 でも、何か違う。 違うことはざ…
僕はよく「主題」という言葉を使います。 簡単に説明すると「作者が言いたいこと」です。 ただしこれはストーリーやオチ、着地点といった表面的なことではありません。 作者が作品を通じて言いたかったこと、作品の奥にあって表面にはどうしても出て来ないこ…
小山田圭吾氏の炎上騒動で、僕は「アーティストなんて多かれ少なかれ”そっち側”」と書きました。 k-yahata.hatenablog.com 一定の反響があり、その中で『お前もミュージシャンなら”そっち側”の考えをもう少し詳しく書くべきだろう』という意見が散見され、確…
美は黒に咲く 社会や人をざっくりと白と黒に分けるとします。 白は「いい」、黒は「悪い」というイメージです。 個人的に、こうした二元論は嫌いなのですが、今回はあえてここからはじめます。 芸術はどっちに属しているかというと、黒の方です。 なぜなら、…