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Livin' On A Prayer/BON JOVI 歌詞解説(原文/和訳)


八幡謙介ギター教室in横浜
BON JOVI

https://www.instagram.com/p/C8b06-RAEQj/

1984年デビュー。

数々のヒット曲を出し、現在(2024年)も活動する長寿バンド。

ボン・ジョヴィ - Wikipedia

BON JOVI | ボン・ジョヴィ - UNIVERSAL MUSIC JAPAN

https://twitter.com/bonjovi_jp

公式MV

www.youtube.com

1986年リリース。

ボンジョビの最大のヒットにして代表曲。

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翻訳

この歌詞、英語ではめっちゃ簡単なんですが、いざ翻訳すると直訳が全然できない構造になっていて、しかも意訳するとちょっとダサくなるので結構難儀でした。

和訳を理解するのではなく、英語のままなんとなく理解しようとする方が曲の世界観に入りやすいと思います。

主題、世界観

苦しい生活でくじけそうになりながらも成功を諦めず、祈りながら懸命に生きていくカップルの姿を力強く描いた内容。

今読んでも全然古くさくなく、むしろ2024年のことを描いた歌詞なんじゃないかとすら思えるほど普遍性に満ちています。

この曲が長年愛されてきた理由はそこにあるのでしょう。

また、諦めない、腐らない、愛、信じること、戦う意志などなど、ロック的な主題に満ち満ちているところも、リスナーをお腹いっぱいにさせてくれる感じがします。

イントロ

Once upon a time, not so long ago

そう遠くない昔

 

【Once upon a time】=「昔々」。

【not so long ago】=そう遠くない昔。

合わせると矛盾していますが、意味としては「そう遠くない昔」ということでしょう。

A

Tommy used to work on the docks, union's been on strike He's down on his luck, it's tough, so tough

トミーは船渠で働いていたが、運悪く組合はストライキを決行している。

辛い、とても辛い……

 

トミーはこの歌詞の男性登場人物。

はっきりと登場人物に名前が付けられている歌詞は結構珍しいです。

【docks】は船を修理したり造船する場所。恐らく【work】との韻で、深い意味はないと思います。

そこの組合がストライキを起こし、たぶん給料が払われなくなったのでしょう。

それで「辛い、辛い」と言っています。

【tough】はこの場合、「辛い」「しんどい」という意味。ジミーのことをtough=強い男だと言っているのではありません。

 

Gina works the diner all day, working for her man She brings home her pay, for love, mmm, for love

ジーナは彼のため、食堂で一日中働いている。彼女は愛のため、給料を家に持って帰る。

愛のため……

 

ジーナは女性登場人物で、トミーの彼女のようです。

【diner】=アメリカ版食堂。レストランより手軽で安い感じ。

これも【Gina】との韻なので深い意味はなさそう。

【her man】彼女の男=トミーのこと。

トミーがストライキで給料が入らなくなったので彼のために働いているみたいですね。

ということは同棲しているようです。

この辺で行間の豊かな歌詞だとわかります。

【love】と【tough】で韻。

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B

She says, We've gotta hold on to what we've got It doesn't make a difference if we make it or not We've got each other and that's a lot for love.

We'll give it a shot

彼女は言った「私達は持っているものでやっていくしかない。できるかどうかは別だ。(それでも)一緒にいられる、それだけで十分でしょ? やってみようよ!」

 

【We've gotta】we have got toの略。意味はほとんど「we」と同じです。

【make it】は何かを作るのではなく、「やる」「成功させる」といったニュアンス。

【that's a lot for love】これも訳しにくい表現です。直訳すると「それは愛のために十分だ」となりますが、意味が分からなくなるので上記のようにしました。

【give it a shot】は英語の慣用句。「さあ行こう!」が一番近いかも。ここでは流れで「やってみようよ!」としました。

英語的な表現が満載で、とても訳し辛いセクションでした。

サビ

Whoa, we're half way there Whoa oh, livin' on a prayer

Take my hand, we'll make it, I swear Whoa oh, livin' on a prayer

道半ば、祈りながら生きていこう

この手を掴んで! 一緒に成功することを誓うよ!

祈りながら生きていこう

 

【prayer】は「祈る」という意味のprayの名詞。スポーツとかのplayerではないので注意。

【livin' on a prayer】「祈りに生きる」と訳した方がたぶん正しい。ただ、モノローグというよりは人に訴えかける感じが強いので「祈りながら生きていこう」と訳しました。

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A’

Tommy's got his six string in hock,

now he's holding in When he used to make it talk so tough,

ooh, it's tough

トミーはギターを質に入れた。

かつては感情をギターに乗せて語って(歌って)いたが、今は抑えている。

あぁ、辛い、とても辛い……

 

【hock】=質。

トミーはギターを弾いていたようです。

お金がなくてそれを質に入れたのでしょう。

二節目がかなり難しいです。

【make it talk】は「(ギターに)語らせていた」。

【holding in】は「感情を抑制する」。

トミーはストライキで仕事がなく、彼女に経済的に頼っており、その鬱憤をどうにかギターで晴らしていたのでしょうが、困窮し、とうとうそのギターまで質に出してしまいました。

今ではストレス発散すらできず、気持ちも抑制しています。

追い詰められて可愛そうです。

 

Gina dreams of running away

When she cries in the night, Tommy whispers

"Baby, it's okay, someday"

ジーナは逃げることを夢みはじめた

彼女が夜泣いていると、トミーは「大丈夫だよベイビー、いつか……」と囁く。

 

そんな中、ジーナが先にくじけてしまいました。

しかしトミーは自分も辛い状況にもかかわらず、そんなジーナを慰めます。

なかなか根性のある男のようです。

 

余談ですが、貧しいカップルが肩を寄せ合い助け合う姿はOヘンリーの「賢者の贈り物」に似ています。

もしかしたらジョンが影響を受けているのかもしれません。

B2’

We've gotta hold on to what we've got

It doesn't make a difference if we make it or not

We've got each other and that's a lot for love

We'll give it a shot

私達は持っているものでやっていくしかない。できるかどうかは別だ。(それでも)一緒にいられる、それだけで十分でしょ? やってみようよ!」

 

同じ内容です。

前回はジーナが言っていましたが、今回はどうもジミーが言っているようです。

お互いの辛いときに助け合い、希望を忘れない、理想的なカップル像を描いています。

サビ’

Whoa, we're half way there Whoa oh, livin' on a prayer

Take my hand, we'll make it I swear Whoa oh, livin' on a prayer Livin' on a prayer

道半ば、祈りながら生きていこう

この手を掴んで! 一緒に成功することを誓うよ!

祈りながら生きていこう

 

同じ。

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B’’

Oh, we've gotta hold on, ready or not

You live for the fight when that's all that you've got

準備ができていてもいなくても、我々は持っているものでやっていくしかない。

それが君の持つ全てなら、戦うために生きろ!

 

基本的にはこれまでのBと同じですが、今回はリスナーに向けてのメッセージと解釈するのが適切でしょう。

つまり、ここでの【we】はジミーとジーナではなく、ボンジョビと観客のことです。

また、「生きるために戦え」と言っているのではなく「戦うために生きろ」というのがポイント。

生きるのが目的ではなく、戦うことが目的であり、そのために生きろと説くのがロックですね。

 

Whoa, we're half way there Whoa oh, livin' on a prayer

Take my hand and we'll make it, I swear Whoa oh, livin' on a prayer

道半ば、祈りながら生きていこう

この手を掴んで! 一緒に成功することを誓うよ!

祈りながら生きていこう

(繰り返し)

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