今までアリアナ・グランデはあんまり興味なかったんですが、たまたまこの動画を観て震えました。
アリアナ・グランデ
何に震えたかというと、声の質量や指向性です。
普通、声量のある歌手って声が空間に広がっていくんですが、この動画見てるとアリアナの声が空間に拡散せず、固まりになって出ているのがよく分かります。
あと、指向性もちゃんとありますね。
顔の向きや目線とリンクして声の方向が変わっていくのが分かります。
どんなマイクでもスコーンって入っていきそうな声ですね。
しかもこの声をソファに深々と座っておしゃべりするように出してるというのが信じられません。
姿勢作って気持ち入れて、喉に青筋立てながら必死で歌ってる人が可愛そうに見えてしまいます。
自分が10代で歌手志望だったとして、この動画見たら絶望して歌手を諦めていたでしょう。
これが才能というやつです。
努力でこんな声が出せるんならみんなやってるでしょう。
もちろん、これが絶対的に正解(?)な声や歌い方ではありませんが、マイクで集音することを前提とするとひとつの答えではあると思います。
不思議なのは、ヴォイトレ積んだ歌手でもこの密度や指向性が出せないということ。
単純に目指すところではないのか、それともやろうとしてもできるもんじゃないのか、その辺は僕には分かりませんが。
私見ですが、ヴォイトレ積みました系の歌手の歌ってたまに「大声」にしか聞こえないことがあるんですよねえ…
そりゃ声量は凄いけど、なんかうっさいというか……
アリアナの声は全然うっさくないのにめちゃくちゃ抜けてるし、声量もしっかりあって、でも無駄に広がらないんですよね。
たぶんマイキングとかミックスとか楽そう。
あと余談です。
僕はヒカキン氏のアンチでもなんでもありませんが、この動画を観てこの人がミュージシャンじゃないということがよく分かりました。
タイムやグルーヴは独りよがりだし、アリアナが合わせようとしてるのも無視して勝手にやってるし、全然デュオになってません。
教室でよく言う「相手を無視して自分勝手に演奏している」状態になってますね。
じゃあお互いが相手に合わせている、無視していない、溶け合っているデュオってあるのか?
それはこちらをご覧下さい。