八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

2015-01-01から1年間の記事一覧

日本人と西洋音楽 6 オリジナルであることを求められる音楽と、それを躊躇する日本人

西洋音楽では、オリジナルであることが強く求められます。 誰々風の演奏は、仮に音大の授業であっても強く戒められることもあります。 また、プロが誰々風の演奏をしていれば、「なんでこの人は自分の演奏をしないんだろう?」と不思議がられ、能力を疑われ…

日本人と西洋音楽 5 日本人の几帳面さは西洋音楽と相反してしまう

日本人は自他共に認める几帳面な人種です。 中でも、「時間」と「ルール」に関しては異常なほど遵守したがり、その枠に入っている方が落ち着くというちょっとマゾな性質があるようです。 またしても、これは西洋音楽と相反してしまいます。

日本人と西洋音楽 4 先天的に「グルーヴ」が分からないことの弊害

音楽用語の「グルーヴ」というものを、日本人は先天的に理解、体感することができません。 なぜかというと、(西洋的な)ダンスをする習慣がないからです。 今では学校でダンスが必修となっているようですが、結局義務としてやらされるだけで、文化や生活に…

日本人と西洋音楽 3 日本人が目指す完成型と西洋音楽は相容れない

日本人が何らかの技術を磨きその完成を目指していくとき、必ずみられる傾向があります。 まずはそれを考察してみましょう。 日本人にとって、技とは、単なる表現のためのツールではなく、それ自体を研鑽しつつ、同時に己の精神を磨くために存在します。

日本人と西洋音楽 2 日本人特有の「作り変え」は黒人音楽に適応されない

日本人は、昔から、異文化を輸入し、それらを自国に合わせたかたちに作り変えてきました。 漢字、律令制度、仏教、明治維新後の国家制度、クリスマス、バレンタイン、漢語、和製英語などなど。 それらはもはや輸入品と言えないほど、我々の生活や文化に根付…

日本人と西洋音楽 1 日本人の「技術信仰」は西洋音楽本来の目的を転倒してしまう

西洋音楽はコミュニケイションのために存在します。 ダンスをしたり、ミュージシャン同士で音の会話をしたり、いずれにせよ、みんなでわーっと盛り上がって楽しもうぜ!という目的のために音楽が存在すると言っても過言ではありません。

ギタリストに一番必要な能力はヴォイシングの幅

ギタリストに一番必要な能力とは何でしょうか? 速弾き? アドリブ? グルーヴ感のあるリフ? カッティング?…… 確かにそれらも求められていますが、僕が思うのは、「ヴォイシングの幅」であると思います。

「○○が続かない」と言う人は続かない理由を自分のせいにしたくないだけ

最近ブログの検索ワードを見ていると、「練習 続かない」とか「ギター 続かない」といったものが多々見受けられます。 また、実際のレッスンでも「○○が続かない」とおっしゃる方が時々おられます。 ちなみにこれ、日本語としてはおかしいです(少なくとも僕…

ジャズの店に人を集める方法

「ジャズに人が集まらない理由」の最後に書こうと思っていてやめたことを改めて書いておきます。 別にこれをやったから絶対人が集まるということはないと思いますが、参考にはなるかと思います。 やってみたいというお店があればどうぞご自由に。 僕が後から…

音楽の現場から消えた「それじゃ入れない」について

昔は、音楽の現場で「それじゃ入れないよ」「それじゃ終われないよ」といった言葉がありました。 タイムもハーモニーも正確に出しているのに、「それじゃできない」と言われるのです。

Fender Japan ST-62 TX購入後半年経過した時点でのレビュー

2015年6月にシンラインを売って購入したこちら。生まれてはじめて、実物を弾かずにネット情報だけでポチりました。 普段そういうことは一切しないんですが、これはなぜか「はよせな」という気持ちが強く、勢いで購入。

ギターが練習できない理由をひとつでも挙げられる人は練習したくないだけ

「楽器をもっと練習したいけど……」 そう言う人はたくさんいます。 そして彼らは、楽器が練習できない理由を即座にいくつも挙げられます。 時間がない、疲れた、何を練習したらいいのかわからない、遠回りしたくない、などなど。

スケールが音楽になるのではなく、スケールを音楽にする

音楽教育の場では、あたかもスケールがそのまま音楽になるといった体で教えられていますが、それは間違いです。 ただ単にスケールを上下しただけでは音楽に聞こえない、ソロやアドリブには聞こえないというのは、ちょっと音楽をかじれば誰でもわかります。

音楽学習からずっぽり抜けている、音楽で一番大事なもの

音楽で一番大事なものは何でしょうか? さくっと結論を言うと、「人がどう感じるか」です。 フレーズ練習にしろ、タイムやグルーヴの練習にしろ、アドリブや作曲、アレンジにしろ、人がそれを聴いて「いい」と感じなければ無意味です。

アドリブを”もやっ”とさせないためのコツ

アドリブを教えていて必ず言うことは、最初のフレーズで様子を見るなということです。 よくあるのが、アドリブが自分の番に回ってきたら、とりあえずロングトーンで様子見をしながら慎重に進めていくパターンです。

イングヴェイのピッキングの謎 速いのに音がでかいという矛盾

速弾き研究をやってきて、ある段階からなぜかイングヴェイ研究になってきたのですが、とりあえず彼のピッキングについてまとめておきます。

アドリブのためのフレーズ練習の弊害

アドリブにおいて最も大事なことは何でしょうか? 多くの方、特に初心者の方は、かっこいいフレーズをバチっと決めることだと思うでしょう。 そして、そうしたフレーズを作ったり、スムーズに弾けるようになるための練習に余念がないと思います。

インタープレイって何? ジャズの「インタープレイ」を考えてみた

インタープレイとは? ジャズをやる人なら、インタープレイという言葉を耳にしたことがあるかと思います。 まずは語義から。 interplay<相互作用>

「時間さえあれば自分だって」という考え

ギターを教えていると、ときどき「仕事(学校、バイトなど)で時間がない、時間さえあれば自分だってもっと練習して上達できるのに」といった発言を耳にします。

イングヴェイモデルは弾きにくい

先日、楽器店でフェンダーUSAのイングヴェイモデルを弾いてきました。 お目当てはスキャロップ指板です(指板がえぐれてるやつ)。

人間がいるアドリブは楽しい。その逆は……

僕の教室では、生徒さん一人一人に合わせて全く違う内容を教えています。 とはいえ、根底にあるものは同じですが。 アドリブを習いにきている生徒さんは少なからずいて、そういった方々には、ざっくり言うと「人間的」な演奏をレクチャーしています。

最短時間で上達しても失敗から学べないので意味がない

巷には、「最短時間で上達」といった練習メソッドが氾濫しています。 読んだわけではありませんが、そういったメソッドでは、失敗や回り道を回避し、正解だけを合理的に練習することを目指しているのだと思われます。 僕は何度も言っていますが、この方法論…

知名度がなくても人を惹きつける方法

自慢じゃないですが、僕はギター講師としてギタリストの間でまーまー知られてます。 元々の知名度もなく(メジャーデビュー経験もなくバンドで売れたわけでもない)、さらにここ数年ライブもしない、レコーディングもしない、曲も作らない、メディアにも出な…

ボブ・マーリーの「Redemption Song」をキレイに弾いたら全然違ってたという話

僕がギターで「ラグ」という概念を考えるようになったきっかけが、たぶんこの曲だったと思います。

ブルースフィーリングとは何か? 日本人とブルースフィーリングの関係

「ジャズギターがつまらない理由」で僕は、ジャズギターの役割はBLUESフィーリングを出すことであると述べました。 ではその「BLUESフィーリング」とはいったいどういうものなのか、そして、我々日本人と「BLUESフィーリング」の関係をご説明したいと思いま…

ジャズギターがつまらない理由 18 まとめ

では最後に僕の考えをまとめておきます。 ジャズギターはギターの最終進化形態ではない ギタリストは、なぜかジャズをギターの最終進化形態、ギタリストが最後に行き着く最高のものだと勘違いしていますが、まずこの考えを捨てるべきでしょう。 歴史的にも間…

ジャズギターがつまらない理由 17 ジャズギターという泥沼②

前回の記事で、 ・最新のジャズギターにはだれも興味ない ・みんなが好きなのはやっぱりBLUESフィーリング溢れるギター と書きました。

ジャズギターがつまらない理由 16 ジャズギターという泥沼①

ジャズギターというジャンルは、ロックの台頭でジャズそのものと同時に一旦滅び、そしてフュージョンという名で生まれ変わったかに見えましたが、結局それも行き詰まり、ここ10年近くはもう完全に泥沼にはまって身動きが取れなくなっていると言えます。

ジャズギターがつまらない理由 15 BLUESを忘れたから

ジャズギターがつまらない理由をこれまで考察してきましたが、一方で長年色あせないジャズギターアルバムがあります。 その中でも最も有名で、誰もが格好いいと称賛するアルバムといえば、ケニー・バレルの「Midnight Blue」でしょう。

ジャズギターがつまらない理由 14 ジャズ史に残るギタリストが最初期に一人しか出ていない

ジャズの歴史(ジャズギターではなく、ジャズ全体)上、「この人がいなかったら後の○○はなかった」といったような重要な役割を果たしたジャズギタリストはいったい何人いるか、と考えてみました。