はじめてのジャズ
横浜ギター教室でジャズを教えていて、そういえばふと思い出したことがあります。 日本人のジャズピアニスト、ジャズギタリスト志望者、それも初心者の方が、なぜか猫も杓子も「アンダーカレント」というアルバムをフェイバリットに挙げ、これがジャズの最高…
ジャズのアドリブでは、一見自由に音を紡いでいるようでいて、実はわりとよくフレーズの繰り返しが行われています。 ただ、ポップスとかロックのような分かりやすいリフになっていないので、相当年季の入ったジャズファンでも意外と聴けていなかったりします…
僕がジャズミュージシャンとしてアメリカ留学やオランダでのセッション修行で得たことは、ジャズとの正しい距離感です。 僕は今でもジャズが自分のものになったとか、自分はジャズメンだとは全く思っていません。
僕は留学していた頃からジャズと日本人の関係性をずっと考えてき、近年はこのブログで発表してきました。 ここ数年でジャズの生徒さんが増えてき、いろんな人にジャズを教えるようになって改めて分かってきたことは、小節をまたぐのは日本人には相当難しいと…
僕は17歳ぐらいからジャズに興味を持ち、これまで20年以上いろんなところで、いろんな方法で学んできました。 その結果言えることは、ジャズに関する資料は、年表とアメリカ人の書いた伝記(自伝)だけあれば十分です。
このシリーズは「ジャズは難しい」という前提に立って話していくという趣旨ではじめたのですが、その根幹となる問題がちょっとわかった気がしたので書いてみます。
セロニアス・モンクの功績(ビバップ誕生に一役買ったり、数々の名曲を生み出したり)はいくつか記事を読めば理解できますが、彼の演奏については初心者はもちろんジャズの玄人でもなかなか理解が難しいです。
ジャズ初心者の人から、「アドリブの何を聴けばいいのかわからない」とよく言われます。
美というものは、どれも同じようでいて、実は生成される過程によって様相が違ってきます。 ある特定の美に到達しようとする場合、一般的に美に到達できるとされる方向と真逆に向かって進んでいかなければならないケースもあります。 ジャズがそれです。
横浜ギター教室にて、ここ最近ジャズに関する質問やジャズを習いたいという生徒さんが増えてきたので、一度初心に立ち返ってジャズをやるということはどういうことかを書いてみたいと思います。
横浜ギター教室の生徒さんから「ジャズギター入門として最適なアルバムは?」とよく訊かれるのですが、だいたいケニー・バレルの「Midnight Blue」と答えています。
前回、ジャズ特有の「サジェスチョン」について書きました。リスナーとしてはただ楽しんだり感心すればそれでいいんですが、プレイヤー視点で捉えると、きちんとサジェストできるかどうかはジャズミュージシャンになれるかどうかの一つの試練だと考えます。
ジャズの世界でしばしば「サジェスチョン」という言葉が使われます。
ジャズのアドリブについてある程度理解が進むと、僕は必ずソニー・ロリンズの話をします。 というのは、星の数ほどいるジャズミュージシャンで、おそらく彼が一番ギリギリのアドリブをしているからです。
ジャズといえば管楽器やヴォーカル、ギターなどを思い浮かべるかもしれませんが、ジャズを一番ジャズたらしめているのはドラムです。 そのドラムが何をやっているのかを聴けるようになるとジャズへの理解は一段と深まります。
ちょっと話は飛びますがフリージャズについて解説しておきます。 フリージャズはそこそこ歴史のある音楽なのですが、その特異な音楽性から日本ではどうしても色眼鏡で見られてしまいます。 「楽器がちゃんと弾けないからめちゃくちゃやってるだけ」という中…
では実際の楽曲からジャズの構造や聴き所を解説していきたいと思います。 今回はジャズベースの典型的なパターンを聴いてみましょう。 これを理解することで楽曲の構造をひとつ理解でき、聴き所が増えます
ジャズのアドリブは全て個人技のようでいて、実は関係性から生まれてくる瞬間も多々あります。 人と話していて、別にそういうつもりはなかったのに空気や流れで思いもしなかったことをつい言ってしまった、相手が聞き上手だからつい本音をぽろりと出してしま…
ジャズを”勉強”しはじめた人は、かなり初期の段階から間違いなくマイルス・デイビスが気になっているはずです。 何度も何度も名前を目にするし、日本では「帝王」とか呼ばれているし(この呼び方自体なんか変なんですが)、アルバムもことあるごとに紹介され…
ジャズを聴くときはひとつの楽器に注意して ジャズという音楽は、もちろんただなんとなく聴いて楽しむこともできますが、ひとつの楽器が何をやっているのかをじっくり注意して聴いていくという楽しみ方もあります。
一般的に、ジャズはインスト(楽器のみの演奏)というイメージが強いかもしれませんが、ジャズの本質は歌にあります。 ジャズをはじめて間もない人はどこか歌を軽視する傾向がありますが、経験と共にいつか必ず歌の重要性を理解するようになります。
ジャズのアーティストは、他と違い様々なタイプの演奏活動を行います。 ざっくり言えば、リーダーとサブ(サポート、サイドマン、などなど)の二種類があります。 また、あるアーティストのアルバムに1曲だけ参加しているケースもあります。 リーダーであれ…
ジャズはいろんな意味でロックやポップスなどとはシステムが違います。 だからとっつきにくいし、勉強しないと分からないことが多いというのが事実です。 また、今流行っている音楽ではないので放っておいても情報は入ってきません。
ロックにはミクスチャーというジャンルがあります。 今でもそう呼ぶのかどうかは分かりませんが、90年代から台頭しはじめたロックと他のジャンルを積極的に混ぜるジャンルです。
ジャズの楽曲において最も分かりやすい<逸脱>はアレンジではないでしょうか? それぐらい、ジャズミュージシャンは原曲から<逸脱>したアレンジを好みます。 そうした傾向は1950年代にはもう見えていました。 また、「え? この曲をジャズでやるの?…
ジャズにおける<逸脱>は、テーマにも顕著に表れています。 テーマについてはこちらを参照してください。 ざっくり言うと、楽曲の歌の部分です。
ジャズ以外の音楽でも、ソロはアドリブで毎回違ったことをやる人はいます。 また、そういった演奏に対して理解のある人も多いでしょう。 しかし、伴奏は毎回必ず同じことをやるケースがほとんどです。 ロックミュージシャンに伴奏を毎回自由にやっていいよと…
では今度はタイムについて考えてみましょう。 タイムとは楽曲のテンポのことです。 各楽器がそのテンポに合わせて演奏しないとむちゃくちゃになってしまうので、タイムに正確であることは音楽を演奏する必須条件ともいえます。
ではここから、ジャズの楽曲においてどのような<逸脱>が行われているのかを具体的に解説していきましょう。 まずはジャズをジャズたらしめている要素であるアウトについてです。 アウトとは、わざと音程を外して緊張感や浮遊感を出すジャズ独特のテクニッ…
ジャズをまだよく知らない人は「ジャズミュージシャン」にどんなイメージを抱いていますか? お洒落、知的、エレガント、大人…… おそらく、いいイメージの方が多いでしょう。 しかし、実際は真逆です。