これは教室のプロ養成コースの人にお話することなんですが、こちらでもさらっと公開しておきます。
仕事にはルールがあります。
その多くはわりと暗黙のルールだったりもします。
とはいえ、常識で考えれば分かることがほとんどです。
連絡は迅速に、正確に、納期は守る、遅刻しない、金銭のやりとりは明瞭に、etc。
ちょっと気の効いた人ならそれらをさらっと学んで実践していけることでしょう。
ですが、実はここに一つトラップがあり、それが見えない人は知らないうちに引っかかってしまい、身動きが取れなくなるということがあるのです。
それは、ルールにも競争があるということです。
一般的なルールや、暗黙のルールを一通り覚えた人は、それさえ守っていればOKだとつい思いがちです。
しかし、実はその「ルールを守る」という行為にも競争があり、勝ち負けが存在します。
例えばメールの返信。
翌日に必ず返せばまあルール違反にはなりません。
一方で、メールは当日必ず返すという人や、できるだけ即レスするという人もいます。
相手からすれば返信は早ければ早いほどいいに決まっています(中身がちゃんとしている前提で)。
ということは、ここに競争があり、勝ち負けが存在していることになります。
仕事を依頼する側からすると、翌日返信組よりは当日返信組の方が印象がいいでしょう。
実際段取りや決定事項もそれだけ早く進むのでありがたいですしね。
そして、この人はすぐ返信くれると分かっていれば、オファーもしやすくなります。
そうして、メールを翌日に返しているというだけで知らないうちに誰かに負けているということは間違いなくあります。
逆に言えば、メールを即返信するだけで確実に誰かに勝てるということです。
こういったことが仕事に付随する様々なやりとりの中に潜んでいます。
それらをしっかりと認識し、そこにある見えない競争に勝てるよう対応していけば、自ずと自己評価も上がっていきます。
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連絡意外にも見えない競争は無数に存在しています。
挨拶、態度、言葉遣い、雑談、所作etc…
それら全てにおいて、正解のはずなのに、失礼ではないはずなのに、なぜか結果につながらないという場合は、誰かとの見えない競争に負けている可能性があります。
挨拶のタイミングがちょっと悪いとか、言葉の端々がちょっとだけ失礼とか、所作がほんのちょっとがさつとか……
こういうことを言うと「なんで実力を見てくれないの?」とか「マナー云々じゃなく、自分は実力で評価されたい」と反論する人が必ずいますが、ではその実力はどうやって発揮するのでしょう?
仕事が決まらないと何もできませんよね?
その最初の一歩として挨拶や雑談、ちょっとした連絡などがあります。
その時点で『この人、あの人に比べてちょっとなあ…』と比較され、評価を下げられてしまうと、いつまで経っても実力を発揮する場所にたどりつけません。
実力で評価されるために、そこに至る道筋に障害物となるものを置かないようにしよう、ということです。
そのためには、ルールを守るだけ、マナーを守るだけではまだ足りないということです。
教室のプロ養成コースではそこまで教えています。