八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

ジャズ、ブルース、アドリブ

ジャズのアドリブでⅡ-Ⅴ-Ⅰ(ツーファイブ)を分割して捉える意義

Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ(通称ツーファイブ)は、一般的にパッケージで捉えるよう練習します。 パッケージとは、Ⅱの最初の音から入ってⅠに着地するまででひとつのかたまりとするとらえ方です。 そうやって捉えることでジャズらしい流暢なフレージングを目指します。 しかし、…

F Blues動画(GIBSON ES-330)

久々に動画を撮りました ちょっと思い立って、久々に動画を撮ってみました。 F Bluesです。 今回のテーマは、レイドバックした重いギターと、330の”あの音”が出せるかどうかです。 以前購入したマイクプリFocusrite ISA Oneをいじりながら撮ってみました。 …

アドリブは蓄えから構築するのではなく、その都度探しにいかなりと必ずマンネリ化する

アドリブを上達するために蓄える アドリブを学んでいる人のほとんどは、まず蓄えを増やそうとします。 フレーズ、アプローチ、間などを自分の中にたくさん蓄えて、その中からアドリブを構築する。 その蓄えが充実していればいるほどアドリブは豊かに、より深…

アドリブがマンネリになってきたら休符を崩してみよう

アドリブがいつも同じ… アドリブがある程度できるようになってくると、ほとんどの人はマンネリ化します。 同じフレーズ、同じ間でいつも弾いてんな…と。 多くの人はそこで一念発起し、新しいメソッドを探し始めます。 ミュージシャンの誰それが提唱している○…

ジャズのアドリブでコードトーンを使うとき、頭の中で記号を算出している時間はない

コードトーンを使ったアドリブ ジャズでコードトーンを使ったアドリブを弾くとき、多くの人が次のようなプロセスを経ている(そうあるべきだ)と勘違いしています。

ジャズを学ぶときに一番大事なのは、獲得したスキルを守らないということ

獲得したスキルを守らない ジャズの生徒さんにはほとんど毎レッスン言っていることですが、ジャズを学ぶ際一番大事なのは、獲得したスキルを守らないことです。 例えばコードトーンを使えるように練習しているとします。

ジャズ中級者を抜け出すには演奏中の視野を広げるしかない

脱ジャズ中級者 最近、脱ジャズ中級者というテーマでレッスンが進むことが多くなってきました。 ジャズ中級者とは、ジャズは一応弾けるけどなんか違う、でもどこが違うか分からないという人のことです。

ジャズをやっている人はⅡ-Ⅴのどこの部分がジャズなのか考えたことありますか?

Ⅱ-Ⅴのどこがジャズなの? ジャズといえばⅡ-Ⅴといわれます。 これはまあ概ね異論はありません。 今回はじゃあそのⅡ-Ⅴのどこの部分がジャズっぽさを醸し出しているのかというお話。 めずらしく譜面を書いて解説します。

現代の天才ギタリスト、クリストン "キングフィッシュ" イングラムを知っているか?

ずいぶん前ですが、フェイスブックで話題になったギタリストがいました。 まだ若いのにえらい説得力のあるギターを弾く黒人の男の子がいると。 僕もそれを見てびっくりしました。 すぐデビューするだろうなと思って放置していましたが、最近デビューアルバム…

アドリブで最大の見せ場はコーラスをまたぐこと

小節をまたぐ アドリブの初期段階では、小節にかっちりと納まるように弾く人が多いです。 そこから意識的に小節をまたげるように訓練します。 また、ジャズなどある程度コード進行が動く音楽なら、コードを無視できるようにも訓練します。

ⅡーⅤーⅠのフレーズで本当に大事なのはⅡの前とⅠの後

ⅡーⅤのいかにも練習してきました感 ⅡーⅤーⅠフレーズを練習し、曲にはめ込むということは、ジャズのアドリブを習得する上で欠かせません。 横浜ギター教室のレッスンである程度アドリブが分かってくると、必ずⅡーⅤーⅠを教えます。 その後に崩す方向に持って行くの…

日本人がジャズを演奏するとき、一番難しいのはエンディング 

エンディングは難しい 日本人がジャズを演奏するとき、最も難しいのがエンディングです。 なぜなら、エンディングをきっちり成立させるためには、強い意志と強引なディレクションが必要だからです(事前に打ち合わせができる場合はまた別の話。今回はセッシ…

ジャズの演奏で「歌っている」の基準は?

ジャズで「歌う」とは? ジャズでは、楽器の演奏が「歌っている」ことが重要視されます。 ただこれはミュージシャン用語なので真意を掴むことがかなり難しく、だいたいは間違った方向で理解してしまいます。 その最たるものは、歌っている=流麗なフレージン…

ジャズのアドリブを進化論と捉えると、シンプルで効果的なフレーズを弾くのに罪悪感が芽生えてやっかいになる

ジャズ独特の進化論 ジャズのアドリブには独特の進化論があります。 まずキーのスケールかペンタから入って、コードスケールを覚え、コードーンを使えるようになり、ⅡーⅤフレーズが弾けるようになったら一人前……。 こんな流れがあって、しかもそれは不可逆的…

ジャズのアドリブは今すぐ誰でもはじめられる

近年ジャズを習いに来る人が増えてきました。 レベルは未経験者からかなりのベテランまで幅広いです。 中でも初心者の方の悩みはほぼ全員共通しています。 一言でいえば、情報量への疲弊です。 それも、アドリブがはじまる前に消化しなければならない(とさ…

ジャズにおいて根本的なレベルアップを図るためには、必ず一度は自分を捨てて生まれ変わらないといけない

僕にジャズを習いに来る人は、だいたい二種類に分かれます。 まったく分からないから教えて欲しいという人と、自分を変えたいという人。 前者は初心者、後者は中級者~上級者です。 いずれにしても僕は同じことを教えます。 ひとつのフレーズを使い続けると…

ブルースはアルバート・キング一択

前にも書いたかも知れませんが、僕はブルースというとアルバート・キング一択です。 彼以外のブルースは全くといっていいほど聴きません。

ジャズミュージシャンがライブで収益を上げる方法を書く

ジャズミュージシャンがライブで収益を上げる方法を書きます。 チェキ アイドル好きの方はご存じでしょうが、ポラロイド写真のことです。 アイドルはもちろん、いまやバンドでも当たり前になっているようです。 なぜかというと、原価率が低いので収益になり…

シーツ・オブ・サウンドはジャズの総意ではない

ジャズのアドリブがある程度できるようになってくると、必ず「より沢山の音数で、より多彩なフレーズ を弾かなくてはならない」という強迫観念にかられます。 そうして気がつけば休符がなく、音数だけやたら多いけど脈略がないソロになってしまい、またそう…

ジャズのアドリブ中に必ず出現する二択、「安定」か「不安定」のどちらを選ぶか

ジャズがある程度弾けるようになってくると、必ずどこかで次の二択を選ばなくてはならない瞬間が訪れます。 ソロを弾き始めて2~3コーラス目、ここから新しい展開が欲しいという場面で、

ジャズにおける意志の伝達の上中下

ジャズにおいて意志の伝達が重要であることは以前書きました。これをもう少し具体的に解説します。 例えば自分のソロを終えるとき、『はい、ソロ終わったよ、誰か次弾いてね』という意志を伝達しなければなりません。

ジャズの演奏には「意思の伝達」の訓練が必要不可欠だが、学校や教室ではそれを教えていない

即興で行うジャズの演奏には「意思の伝達」が必要不可欠となります。 例えば、イントロを出し、『はい、ここから入ってください』という意思の伝達、『今から自分がソロを弾きますよ』という意思の伝達、『ここ、盛り上げたいのでよろしく』という意思の伝達…

ジャズのためのマーケティング考2 ジャズにおける対立構造を数字で把握し、マーケティングに生かそう

ジャズという世界には独特の対立構造が存在します。 ざっくり言えば、コア層とライト層の対立です。 ファンでもミュージシャンでもコア層はライト層を蔑み、ライト層はコア層を軽蔑しています。 さて、これを数値化してみましょう。

ジャズのためのマーケティング考 ジャズで人を集めるために

ジャズのライブで客を呼びたい、ジャズのお店にもっと客が来てほしい、ジャズのイベントを成功させたい、ジャズについて書いた文章をもっと読んでもらいたいなどなど、ジャズで何かをはじめようとする人は今でも少なからずいます。 ではそういった場合、どの…

アドリブにおける休符の意義 なぜ休符を入れるのかが分かれば休符をデザインしやすくなる

アドリブがある程度出来るようになってくると必ず、休符をどう入れるかが課題となってきます。 単純に休符が全然無いというケースや、休符はあるけど効果的に活用できていない、などなど。

アドリブ中級者が克服するべき「○○感」

アドリブがある程度できるようになってくると、次のような症状が必ず出てきます。 中級者のアドリブは、それらを克服することが課題となります。

アドリブでコード進行が俯瞰で見えたときにできる具体的なこと

例えばC△7からA7に行くとします。 このとき、俯瞰できていない人はC△7を弾いているときはC△7しか見えていません。 そしてA7に入った瞬間、あるいはちょっと遅れてからA7を認識すると思います。

アドリブするとき、”今”弾いているコードに没頭してはいけない

アドリブがある程度できるようになってき、コードトーンも的確に使えるようになってくると、じゃあそろそろ小節をまたいでみよう、コードとコードの境目を崩していこう、となります。 しかし、これがなかなかできません。 なぜなら、初心者から中級者は”今“…

ジャズという音楽には本質的に”拒絶”の意志が含まれている だからジャズは敬遠される

久々にジャズの文献を読んで改めて感じたことは、ジャズという音楽には最初から”拒絶”の意志が含まれているという点です。 特にビバップ以降、ジャズは”拒絶”の意志と共に発展してきたといえるでしょう。 こんにち、ジャズが「とっつきにくい」「なんか怖い…

海外のジャズの文献をいくつか読んでみたがつまんなかったので二度と読まないと誓った

僕はジャズをはじめてから20年ぐらい、「マイルス・デイビス自叙伝」以外ほとんどジャズの文献を読んだことがありませんでした。 で、最近なぜかそういうのも読んでおくかという気になり、とりあえず日本人のジャズ評論家の文献を読んでみたのですが、 主…