前回の続きです。
例えばC△7からA7に行くとします。
このとき、俯瞰できていない人はC△7を弾いているときはC△7しか見えていません。
そしてA7に入った瞬間、あるいはちょっと遅れてからA7を認識すると思います。
そうなると、フレーズが各コードにかっちりハマったスクエアなアドリブになってしまいます。
ではこれを俯瞰で見ているとどうなるでしょう?
C△7の次にA7が来ることがわかっていると、小節をちょっと食ってA7のフレーズを出すことができるようになります。
A7の3度の音はC♯で、これはC△7にない音なのでいわゆるオイシイ音になります。
それをC△7の4拍目の裏から入れたりすると、ちょっとそれっぽい雰囲気が出てくれます。
もっと言うと、4拍目の頭にC♯を入れてもぎりぎり成立します。
いずれにせよ、「次にA7が来る」ということが分かっていないとこういったアプローチはできません。
アドリブというものは概ねこういった崩しが必要不可欠となります。
その崩しができるにはコード進行を俯瞰できなくてはなりません。
そう考えると、まずすべきは拍や小節を崩すフレーズを練習することではなく、コード進行を俯瞰で見る訓練だということがわかります。