アドリブがある程度できるようになってくると、ほとんどの人はマンネリ化します。
同じフレーズ、同じ間でいつも弾いてんな…と。
多くの人はそこで一念発起し、新しいメソッドを探し始めます。
ミュージシャンの誰それが提唱している○○メソッドならこのマンネリを打開できるだろうか? あるいは別の誰それの△△アプローチなら有効だろうか? と。
それである程度先に進める可能性もありますが、ほとんどはダメでしょう。
なぜかというと、フレーズの内容が変わっても間が変わらないからです。
ではどうすればいいのか?
横浜ギター教室では「休符を崩す」ということを教えています。
例えば、ある人が1小節弾いて1小節休んでまた1小節弾いて…という間でアドリブしているとしましょう。
これはかなりスクエアに聞こえる間です。
ロックのアドリブでも『ちょっと硬いな~』と感じるでしょうし、ジャズなら完全にNGです。
ここでフレーズそのものを工夫しても、1小節弾いて1小節休んでという間自体は同じなので、根本的には何も変わりません。
そこで、1小節休むのを2拍に減らしたり、1小節ともう1拍休むなど、休符をイレギュラーにしていきます。
休符を崩すと、今まで使っていたフレーズがそのまま使えなくなります。
だからフレーズも変化していきます。
そのフレーズの変化に従ってまた休符も変化します。
そうすると、全体が今までになかった間になっていきます。
ただ、ここにひとつ落とし穴があります。
人は本能的に不安定より安定を指向します。
休符を崩し、その影響でフレーズも崩れてくると、恐ろしいほどの違和感や恐怖感に襲われます。
その瞬間、人は強烈に安定を求め、実行します。
このケースだと、せっかく間が崩れたのに、またすぐ今まで通り小節の1拍目から始めるということを必ず行います。
なぜなら、崩れた間に耐えられないからです。
しかしそれでは今までと同じになってしまいます。
アドリブには常に矛盾が存在します。
- アドリブを発展させたい
- 安定安心して弾きたい
この二つです。
これらは常に矛盾します。
アドリブを発展させたければ崩していくしかありません。
しかしいつものフレーズ、間を崩せば必ず不安定になり安心して弾けません。
ですから勇気を出して不安定に向かって一歩進まないとアドリブはいつまで経ってもマンネリのままとなります。
そう、アドリブマンネリ打開の方法は、つきつめれば不安定に身を投じる勇気となります。
休符を崩すためには、自分がいつも使っている休符の癖を知る必要があります。
まずはそれを突き止め、次のその休符をわざと短くしたり長くしたりしてみましょう。
そうすると、めちゃくちゃ気持ち悪いですw
もちろんその気持ち悪さに耐える必要があります。
やってる最中は最悪な気分ですが、録音して聴いてみると意外とよかったりします。
さらに詳しいことは教室で。