ジャズのアーティストは、他と違い様々なタイプの演奏活動を行います。
ざっくり言えば、リーダーとサブ(サポート、サイドマン、などなど)の二種類があります。
また、あるアーティストのアルバムに1曲だけ参加しているケースもあります。
リーダーであればアーティスト名はアルバムのタイトルと一緒に掲載されますが、サブだと調べないとわかりません。
また、ジャズミュージシャンの場合、リーダーとして制作したアルバムが必ずしも最高のものであるとは限りません。
例えば、僕が好きなソニー・クラーク(p)はリーダーアルバムよりもサブの時の方がいい演奏をします。
また、楽器の特性上ドラムやベースはリーダーであることが少ないので、リーダーだけに注目していると名プレイヤーを見逃してしまう可能性があります。
ではどうすればいいかというと、ジャズのアルバムを手にしたら、必ず全プレイヤーに目を通しましょう。
そして、できればそのメンバーを一人一人検索してみてください。
例えば、リー・モーガンの「Side Winder」というアルバムを購入したとしましょう。
まずはリーダーを検索します。
すると、リーダーアルバムの他に、サブとしての参加作品が出てきます。
本ブログでもご紹介したジョン・コルトレーンの「Blue Train」とか、アート・ブレイキーの「Moanin'」に参加していることがわかります。
じゃあ今度はそっちも聴いてみようかな……と少し幅が広がります。
では今度は共演者を見ていきましょう。
ジョー・ヘンダーソン(ts)
バリー・ハリス(p)
ボブ・クランショウ(b)
ビリー・ヒギンズ(ds)
試しにサックスのジョー・ヘンダーソンを検索します。
上記の作品ではサブでしたが、リーダーアルバムもかなり残していることが分かります。
また、リーダーではありませんが以前ご紹介したマッコイ・タイナーの「Real McCoy」にも参加しています。
このように、リーダーはサブでの参加作品を調べ、サブはリーダー作を調べてみると幅が広がると思います。
続けているとそのうちジャズシーンの人物相関図がなんとなく見えてきます。
ちなみに、マニアな人はどのアーティストが誰の何という作品で演奏しているかを全部暗記していたりします(しかも、そのアルバム制作の裏話なども含めて)。
個人的にはそこまで詳しくはないのですが、好きなアルバムなら大抵参加ミュージシャンは覚えています。
ジャズはやはり他に比べてアーティストをたくさん覚えないといけないジャンルだと思います。
ある程度分かってくると「このリーダーは特に好きじゃないけどバックに○○が入ってるから」と、サブ目当てでアルバムを買ったりします。
そこまでいけば十分ジャズファンだと言えるでしょう。
とはいえ、そうなるまでにはかなりの数のアーティストを覚えないといけないので、興味のない人にはめんどうな”勉強”になってしまいます。
そのへんがジャズのとっつきにくさの一因なのかもしれません。