ジャズはいろんな意味でロックやポップスなどとはシステムが違います。
だからとっつきにくいし、勉強しないと分からないことが多いというのが事実です。
また、今流行っている音楽ではないので放っておいても情報は入ってきません。
ですから、自分から情報を集め整理していかないとジャズは理解できないのです。
ということで、ジャズの勉強のしかたを解説してみたいと思います。
とりあえずいろんなジャズの音源を聴き、いいなと思ったものをメモしておきましょう。
あるいは「ジャズ スタンダード」で検索してみて上位に出たものでも構いません。
ジャズに詳しい人が身近にいるのなら訊いてみてもいいでしょう。
もちろん、ジャズスタンダードは膨大な数があるので、人やサイトによって全然違う曲を薦めてくるでしょうが、それで構いません。
そうして、とりあえず1曲これというものを見つけます。
ちなみにその曲が意外とマイナーであまり録音が残されていなかったり、歌の人は好きだけどインストではあんまりやらないとか、日本のジャズシーンではあまり演奏されないといったこともあります。
まあそれも含めて勉強になるので、あれこれ悩まずに適当に1曲決めましょう。
1曲見つかったら、それをYOUTUBEで検索し、とにかくまずはいろんなアーティストのヴァージョンを聴いてみましょう。
ただしプロも含めて「弾いてみた」「歌ってみた」系はスルーして結構です。
それらはYOUTUBEが登場してからのごく近年の演奏です。
それよりも最初は名盤、名演を聴くべきです。
とはいえそれでも膨大な数があるので、どれを聴いたらいいか分からないという人は、白黒のちょっと古くさいアルバムジャケットをサムネイルにしているものを選びましょう。
さらに、そのジャケットに黒人が写っていれば、ジャズが華やかな時代の録音である確率が高いです。
もちろん、白人でもいい演奏はありますが。
ここでできるだけ根気よくお気に入りのアーティストを探しましょう。
一人ピンと来るアーティストが見つかれば、その人からまた広げていけるからです。
1曲琴線に触れたとしたら、他の曲も自分好みの演奏をしている可能性が高いです。
上の二つは誰でも考えつくことだと思いますが、ここで一つ僕から提案があります。
それは、お気に入りの演奏の他にひとつ、必ず「黒人枠」を設けておくことです。
ジャズ初心者の日本人は、ともすれば黒人のエネルギッシュな演奏や泥臭い歌よりも、さらさらした日本人向けのものを好む傾向にあります。
まあ、当たり前といえば当たり前ですが、それではジャズの本質から外れてしまう恐れがあります。
ジャズは黒人の音楽です。
しかも<逸脱>という日本人とは正反対の精神を持つものです。
それを忘れないためにも、必ず黒人の演奏や歌(それも「なんだこりゃ?」とびっくりするようなもの)を聴くように心がけましょう。
最初は慣れないでしょうが、聴いているとだんだん味が分かってくるようになります。
それ以外にも、歌詞を読んだり楽曲の背景を調べたりといろいろできますが、そこまでするとちょっと大変なので、上記3つだけでも結構です。
余談ですが、意外とジャズミュージシャンほど楽曲の背景や作曲家を知らなかったりします。
楽器のプレイヤーなら歌詞を知らなくても不思議ではありません。
沢山曲を覚えないといけなかったり、セッションで初見でやっただけの曲も多いので、実はそれほど1曲を深く掘り下げていなかったりします。
まあ、そういった背景よりも誰がどんなサウンドやアレンジで演奏しているかを知った方が有意義なのかもしれません。