横浜ギター教室でジャズを教えていると、初心者の人から、「アドリブの何を聴けばいいのかわからない」とよく言われます。
確かに、歌詞もないし、自分で弾けるわけでもないし、ただ聴いているだけでは漠然として何を楽しめばいいのかわかりません。
このブログではよくドラムとソロの関係性についても書いていますが、それも最初はなかなか聴き取れないかもしれません。
そこで、ソロの中で同じフレーズがどう使われているかという観点で聴いてみることをおすすめします。
今風に言うと”推し”のフレーズはどれか、ということです。
いいソロというのは、だいたい同じフレーズを沢山使って推しています。
といっても全く同じものを同じタイミングで使うのではなく(それだとリフになる)、同じだけどちょっとずつ崩したり、別のフレーズとくっつけたり、分解したりしながら何度も使っていきます。
場合によっては全く同じフレーズを使い続けることもあります。
まずはソロをじっと聴いて、「あ、今のフレーズさっき出てきたやつだ」とか「同じフレーズ何回も出してきたな」とか逆に「同じフレーズから変化していったな」という箇所を探してみましょう。
そこからそのアーティストの癖が見えてきます。
ただし人によっては同じフレーズをあからさまに使わない人もいます。
特にマイルスはそうですね。
マイルスが難しいと言われるゆえんはそこでしょう。
同じフレーズをよく使うジャズミュージシャンは、有名どころではソニー・ロリンズ、デクスター・ゴードン、ハンク・モブレー、ウエス・モンゴメリ、グラント・グリーンあたりでしょうか。
他にもビバップのプレイヤーならだいたい皆そうやって演奏しています。
あと意外なところでいうとパット・メセニーもわりと同じフレーズを推す傾向があります(より正確に言うと、各セクションを同じカラーにまとめるソロを弾く)。
とりあえずソロはそうした観点で聴いてみると何かが見えてくると思います。