八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

2018-01-01から1年間の記事一覧

「セロニアス・モンク 独創のジャズ物語」感想

セロニアス・モンクの伝記を読みました。 アメリカ史の教授である著者が14年の歳月をかけて収集した資料を元に、謎に包まれていたモンクの生涯を書いた力作です。

「じゃあお前がやれ、できないなら言うな」という”当事者主義”は危険

何かについて批判的なことを言うと、必ずと言っていいほど「じゃあお前がやれ、できないなら言うな」という極論が反ってきます。 これは、当事者あるいは経験者以外は口を挟むなという当事者主義といっていいでしょう。 一見正論のようですが、よく考えれば…

ジャズスタンダードを演奏するのに歌詞は必読だけど原作までは別に知らなくてもいいと思った

「Days Of Wine And Roses」(邦題「酒とバラの日々」)というジャズスタンダードがあります。 原曲は同名の映画の主題歌で、1962年の作品。 アルコール依存症に悩まされる夫婦の生活を描いた作品です。

呪いのリハーサル 僕を(悪い意味で)変えたリハーサルについて

最近ふとあることを思い出しました。 それは、僕のジャズに対する考え方を根本的に変えたリハーサルについてです。 とある単発のコンサートを行うことになり、僕はメンバーを集めてリハーサルをすることになりました。 全員日本人です。 そのときの僕は、リ…

イングヴェイ研究終わり

3年半ほど前からイングヴェイの研究をしてきましたが、今日終了しました。 といっても全部わかったとかイングヴェイなんでも弾けるということではなく、イングヴェイのピッキングから抽出できる普遍的なロックピッキングのフォーム、発音、身体操作などが僕…

練習を休むベストなタイミングは? DMN(デフォルトモードネットワーク)の有効活用

以前こちらの記事に、脳の機能「DMN(デフォルトモードネットワーク)」と上達の関係性について書きました。 k-yahata.hatenablog.com 未読の方は上記記事を先にお読みください。 しっかり練習→1日休養が上達に不可欠であるということはご理解いただけると…

アーティストになりたい人は価値観を権威にゆだねるのはやめた方がいい

パフォーマンスであれ創作であれ、それらには己の価値観が如実に反映されます。 だからアーティストは技術や知識に加え、己の価値観を鍛えなければなりません。 いい/悪いにはじまり、ではそれらの何がいいのか、悪いのか、その価値観を自分のパフォーマン…

アドリブの「練習してきました感」を消す工夫をしよう

アドリブであまり語られないトピックとして「練習してきました感」というのがあります。 僕自身誰かから聞いたわけではないので、たぶん僕の造語です。 とはいえ、誰でもぼんやりとは考えたことがあると思います。

裕福で時間があるから楽器が上達するという幻想

先日たまたまあるブログを読みました。 内容は、中学で楽器にのめり込み、大学で挫折しその後何年かして回想したものです。 若い人らしくいろんな感情が入り交じった文章でしたが、行間から読み取れたものは、「結局楽器なんてものは裕福で時間があるやつに…

音楽はライブに行かなきゃ分からないてことは必ずしもない

音楽ではよく、「ライブじゃないと分からないことがある」「ライブと動画や音源は全く別もの」といったことがよく言われます。 確かにそういうケースもありますが、個人的には半々ぐらいだと思います。 ライブが音源の100倍いいと感じたバンドもあれば、…

音大・音楽専門学校を卒業することとプロになることはほとんど何の因果もない

音大や音楽専門学校を卒業することとプロのミュージシャンになることは、ほとんど何の因果もありません。 仮に音大卒、音楽専門学校卒のプロミュージシャンがいたとしても、音大(専門学校)を出たからプロになったのではないということです。 もちろん、学…

「ヘタウマ」という幼稚な言葉を安易に使う人

最近モンクにはまっていて、伝記があったので購入しました。こちらはじっくり読み進めているのですが、それ以外にブログなどをいくつか読んでみて、久々にある言葉に出会いました。 「ヘタウマ」です。

フェンダージャパン(Fender Japan)のストラトを買ったらやっておきたいこと

Fender Japanのストラトを買ったら同時にやっておいた方がいいことをお教えします。 といっても年代にもよるし問題ない場合は無視してください。

はじめてのジャズ 44 セロニアス・モンク考

セロニアス・モンクの功績(ビバップ誕生に一役買ったり、数々の名曲を生み出したり)はいくつか記事を読めば理解できますが、彼の演奏については初心者はもちろんジャズの玄人でもなかなか理解が難しいです。

ジャズ中級者がさっさと卒業したほうがいいこと

ジャズ中級者がさっさと卒業した方がいいことがあります。 それは、テーマ遊びとオウム返しです。

コードトーンのアドリブは、一度使い方を覚えてから今度は使わないことを覚えないといけない

コードトーンを使ってアドリブをしたい、でも上手くできない、というご相談がよくあります。 まず大事なのは指板上のコードトーンをアルペジオで見るのではなく、コードそのもので見ること。

西洋に日本のバンドは浸透してきてるけどアイドルがイマイチ受け入れられない理由

僕はよくYOUTUBEのリアクション動画を観るんですが、日本のバンドは西洋にかなり浸透しているなーと最近感じます。 デジタルネイティブ、YOUTUBEネイティヴ(という言葉があるのか知りませんが)からしたらもう音楽に国籍や時代なんて存在しないんでしょう。…

ジャズで一番難しいのはバッキング

ジャズの習得において一番難しいのはバッキングです。 というのは、バッキングは基本受け身だからです。

はじめてのジャズ 43 アドリブの何を聴けばいいか

ジャズ初心者の人から、「アドリブの何を聴けばいいのかわからない」とよく言われます。

はじめてのジャズ 42 ジャズ独特の美しさは崩壊の手前にしかない

美というものは、どれも同じようでいて、実は生成される過程によって様相が違ってきます。 ある特定の美に到達しようとする場合、一般的に美に到達できるとされる方向と真逆に向かって進んでいかなければならないケースもあります。 ジャズがそれです。

はじめてのジャズ 41 ジャズ初心者、入門者に一度考えて欲しいこと

横浜ギター教室にて、ここ最近ジャズに関する質問やジャズを習いたいという生徒さんが増えてきたので、一度初心に立ち返ってジャズをやるということはどういうことかを書いてみたいと思います。

ジャズシンガーはジャズを歌わなくていいから歌を歌ってほしい

某ジャズスタンダードの歌詞を覚え直すのに、YOUTUBEでその歌を検索すると、ある日本人歌手が出てきました。 ふーんと思って聴いてみると、とても上手だし、ジャズそのものです。 何かの賞を取ったとかで、ジャズ界の評価もきっと高いんだと思います。 が故…

渡辺貞夫「Parker's Mood」 日本のジャズで唯一の愛聴盤

僕は日本のジャズは全くといっていいほど聴きませんが、唯一といっていい愛聴盤があります。 それは、渡辺貞夫氏の「Parker's Mood」です。 PARKER’S MOOD SADAO WATANABE LIVE AT BRAVAS CLUB ’85 アーティスト:渡辺貞夫 ワーナーミュージック・ジャパン Am…

ジャズのアドリブはミクロをファンキーに、マクロをスクエアにするといい感じになる

最近ジャズの生徒さんが増えてきて、教えながら自分も改めて学んでいます。 そこで改めて分かってきたのが、ジャズのアドリブはミクロをファンキーに、マクロをスクエアにするといい感じになってくるということです。 ミクロ=小節や拍単位のフレーズを出来…

ジャズを批判したおかげでジャズの生徒さんが増えてきた

ジャズの生徒さんが増えてきた ふと気がつけばジャズの生徒さんが増えてきました。 そもそも僕はジャズギター講師としてやっていきたかったんですが、関西で教えていたときはジャズやりたい人がぜんぜん来ず、その後横浜に移住してもジャズを習いに来る人は…

ピッキングのラインを二次元ではなく三次元で捉えると問題が見えやすくなる

ピッキングの研究をずっと続けていますが、ここ数ヶ月問題が発生し、それをクリアする過程で改めてわかってきたことがあります。 ピッキングで行き詰まる原因の多くは、ピッキングのラインを二次元で捉えているからです。 言い換えると、ピッキングを線で捉…

Ⅱ-Ⅴ-Ⅰをパッケージで弾くのはバップよりもフュージョンの文脈に近い

ジャズを学ぶ過程で必ずⅡ-Ⅴ-Ⅰの弾き方を学びます。 もちろんそれは重要なことなのでしっかり学んでおくべきなのですが、これをひとつのパッケージとして学んでしまうと色々やっかいなことになってきます。 よくあるのが、Ⅱ-Ⅴ-Ⅰだけやたらと流暢で、それ以外…

アドリブは最初期の段階で譜面を見ずにやってみることが大事

アドリブで譜面を見ないというのは実はかなり重要で、海外ではわりとやかましく言う講師は多いです。 しかし、残念ながら日本ではほとんどそれが伝わっていません。 これもお国柄なのでしょう。 なぜ譜面を見ないことが大事かというと、そうでないと会話にな…

はじめてのジャズ 40 ジャズギター入門としてのジョージ・ベンソン「BREEZIN'」

横浜ギター教室の生徒さんから「ジャズギター入門として最適なアルバムは?」とよく訊かれるのですが、だいたいケニー・バレルの「Midnight Blue」と答えています。

人に習うのに「ワンチャン無料で」みたいなことを考え、実行する人は死んでもプロにはなれない

関西で教えていたときも、横浜にギター教室を移してからも、ちょくちょく「ワンチャン無料で」みたいな人が来ます。 僕の教えていることに興味がある、でもできればお金は払いたくない、もっと言えば足も使いたくない、そこであらゆるツールを使って無料でど…