僕はよくYOUTUBEのリアクション動画を観るんですが、日本のバンドは西洋にかなり浸透しているなーと最近感じます。
デジタルネイティブ、YOUTUBEネイティヴ(という言葉があるのか知りませんが)からしたらもう音楽に国籍や時代なんて存在しないんでしょう。
とはいえ、日本のアイドル文化だけはなかなか西洋に浸透していかないような印象もあります。
もちろんアジアでは48グループをはじめ、日本のアイドルは絶大な指示を得ていますが、なぜアジアで止まってしまうのでしょうか?
様々な理由はあると思いますが、そのうちのひとつは西洋人独特のManufactured Band(マニファクチャード・バンド)に対する拒否反応があると思います。
Manufactured Bandとは、レコード会社によってつくられたバンド(グループ)のことです。
ちなみに英語ではアイドルのようなグループもbandと呼んだりします。
以前BABYMETALのリアクション動画(たしかイギリス人)で、メタルファンがベビメタ批判への反論を行っているものがありました。
その批判のひとつが「BABYMETALはManufacturedだからダメだ」というものです。
レコード会社によって作られたバンドだから聴く価値なんてない、という批判です。
それへの反論としては「Manufactured Bandだからダメだというのはおかしい。奇異に感じたとしてもそれが日本の文化なのだろうし、音楽は楽曲やサウンド、パフォーマンスで判断するべきだ」というものでした。
至極まっとうな反論なのですが、個人的には「Manufactured Bandだからダメだ」という批判が存在すること自体が新鮮でした。
日本人にとっては、あるバンドがManufacturedかそうでないかなんて全く関係ないですからね。
最近だとScandalはいわゆるManufactured Bandになりますが、その点で批判している日本人はたぶんいないと思います。
西洋においては、バンドのヒストリー(高校で出会い、意気投合してガレージで練習し、作ったデモがプロデューサーの目に留まりデビュー、など)がかなり重要なのでしょう。
現在世界的な人気を博しているX Japanも、YOSHIKIの壮絶な人生やバンドの悲しい歴史などに共感している人が多いようです。
一方、アイドルにはそうしたヒストリーは基本ありません。
もちろん、個人個人にはありますが、グループ自体は会社がつくってからの歴史しかないことがほとんどです。
西洋人からすればそこに不満があるのではないかと僕は感じます。
支配されている感、コントロールされている感なども共感したり応援できない要因なのでしょう。
だから世界的な広がりを見せつつあるJ-POP、J-ROCKの中でアイドルだけが西洋になかなか浸透していかないのではないかと思います。
そんな中でもPerfume(をアイドルと言っていいかどうかはわかりませんが)は西洋でも受けているみたいですが、彼女たちにはやはり他のグループよりもヒストリーがありますし、アイドル独特の支配されている感じも受けません。
まあそもそも日本のアイドルを西洋で勝負させようと本気で考えている人がいるかどうかはわかりませんが、成功の鍵はManufactured感をどう払拭するかでしょう。
それはほぼ不可能に近い難題だと思いますが…