アドリブであまり語られないトピックとして「練習してきました感」というのがあります。
僕自身誰かから聞いたわけではないので、たぶん僕の造語です。
とはいえ、誰でもぼんやりとは考えたことがあると思います。
「練習してきました感」とは、あるフレーズを弾いたときに、聞き手や共演者が『あ、そのフレーズ一生懸命練習してきたんだろうな~』とほほえましくなる感じです。
これが出ているうちはどんなに上手に弾けていても失敗です。
もちろん、新しく覚えたフレーズは一所懸命練習して狙ったところで出せるようにします。
しかし、それだけでは不自然で、そのフレーズだけ(あるいはほとんどのフレーズが)浮いてしまいます。
例えば日常会話でも、誰かが言った言葉に対し、『あ、その単語昨日今日覚えたばっかなんだろうな~、きっとそれ使いたかったんだろうな~』と感じる瞬間がありますよね?
そうするともう相手の話に説得力がなくなり、真面目に聞く気がしなくなります。
それと同じです。
ではその「練習してきました感」をどうやって消すのか?
ここがアドリブの大きな課題となります。
ひとつのヒントとしては、アドリブ全体が普通に聞こえるかどうかです。
変に浮いたフレーズがなく、最初から最後まで普通に流れているように聞こえれば少なくとも「練習してきました感」は消えていると言っていいでしょう。