パフォーマンスであれ創作であれ、それらには己の価値観が如実に反映されます。
だからアーティストは技術や知識に加え、己の価値観を鍛えなければなりません。
いい/悪いにはじまり、ではそれらの何がいいのか、悪いのか、その価値観を自分のパフォーマンスや創作にどう反映させられるのか……。
そうした自分にとっての大事な価値観を簡単に権威にゆだねる人は少なくありません。
有名な評論家の○○氏が絶賛していたからこれは凄いはずだ、○○先輩がこれはいいと言っていたからいいものなんだ、自分の憧れのアーティストが認めているからきっと凄いんだろう……。
こうした思考の人が多いのは、ふたつの意味でとても楽だからでしょう。
まず、自分で考えなくてもいいところ。
その分野で権威と呼ばれる人、仲間内で詳しいと一目置かれている人などの意見を聞き、それをリピートすればいいだけです。
次に、その価値観を脅かされたとき、権威の傘に入れば簡単に相手を退けられるところ。
「これはあの有名な○○さんが言っていたことだ、お前は○○さんを否定するのか」「○○先輩が言ってたんだぞ、お前は先輩に逆らうのか!」と言えばだいたいの人は黙ります。
こうして易々と価値観を手に入れたと錯覚し、そのまま時が経って実は中身が何もなかったと気づいた頃にはもう遅い、というケースはよくあります。
そうならないためにはどうすればいいかというと、未熟だろうがなんだろうが自分の意見を言うことです。
それも、ネットの匿名アカウントではなく、生身の自分自身が公にそうすることが望ましいです。
もちろん、ボロボロに叩かれるでしょうがそれで構いません。
そこからまた価値観を再構築していくことが”価値観を鍛える”ということです。
とはいえ、現代はひとつのミスで人生そのものをたたき壊される可能性があるのでなかなかそういったことはできませんが(まあ僕はやってますが)。
とりあえず仲のいい友達や、創作仲間の間ぐらいは「自分はこう思う」と自分の意見を言えるようにしていきましょう。
そこからまた何かが見えてくるはずです。
空気読んで日和見的な意見しか言わない人、誰のどんな意見でも肯定しかしない人は、結局成功していませんからね……。
意見が強すぎてうざい人ほど生き残っています。
そういえば僕もよくうざがられていたことを覚えています(直接は言われませんが肌では感じていました)。
おかげでなんとか横浜のギター教室は生き残っています。