八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

ジャズ、ブルース、アドリブ

アドリブでいったん手癖を増やしてから吟味し減らしていくという手法は間違い

アドリブを長年行っていると、必ずフレーズや音を減らすという方向に向かいます。 年齢から来るものなのか、洗練されてくればそうなるのか、理由はわかりませんが続けていれば必ず”減らす”方向に向かいます。 しかし、アドリブのとっかかりから一応出来るよ…

ジャズギターの勉強はビバップを徹底的に聞き込むのが一番

教室にジャズを習いにくる人には、とにかくビバップの名盤を徹底的に聞き込んでくださいと伝えます。 もちろんアーティストやアルバムもその人によって異なるものをそのときそのとき提示します。 とりあえず聴いてもらって、折に触れポイントを解説したりも…

アドリブは安定期が一番怖い アドリブの「やっつけ感」について

アドリブ初心者は、とりあえず安定したアドリブを目指していると思います。 おおよそどんな曲でもロストせず、練習したフレーズを出せて、それなりにインタープレイもできる。 確かにそこに到達するだけでもかなりの努力が必要です。 また、プロを目指す人は…

アルバート・キングを改めて聴いたらSRVが嫌いになってクラプトンが前より好きになった

久々にアルバート・キングを聴いています。 この人はトーンも、フレーズも、楽曲も歌も全部好きです。 それはまあいいとして、改めて聴くとSRVが脳裏にちらついてなんか気になります。

ジャズベーシスト(日本人)から受けた仕打ちを思い出したので書いてみる

ジャズネタをもっと読みたいといったご意見を時々いただくので、あれこれ考えていたらふとジャズベーシストにされた仕打ちを思い出したので、成仏させる目的で書いておきます。 その前に言っておきますが、僕はジャズベーシストに何の恨みもないし、むしろウ…

ジャズに人を集めるヒント

以前とあるジャズクラブのオーナー(正確な情報は伏せます)から連絡があり、僕の視点からジャズクラブの経営やミュージシャン側の意見などを話してほしいと言われたので、思うことを全部お話しました。 「ジャズに人が集まらない理由」刊行後のことです。

ブルースのキー別、ギタリストの反応

「ブルース、Cで」 ギタリスト1「いいよ!(可愛いな)」 ギタリスト2「いいよ!(助かった…)」 ギタリスト3「いいよ!(この人好き)」 「ブルース、Aで」 ギタリスト1「了解!(よかったー)」 ギタリスト2「了解!(気を遣ってくれたのかな、優しい…

「丁寧に弾く」というよくわからない価値観 音楽は丁寧に弾くものなのか?

楽器の演奏に対する褒め言葉として「とても丁寧に弾いてらっしゃいます」というのがありますが、正直、この価値観が僕はよくわかりません。 まああんまりプロの人はこれを言わないのでアマチュア同士の馴れ合いと理解していましたが、一度ちゃんと考えてみよ…

ジャズの”アウト”に対する違和感 精神のない”アウト”は必要か?

ジャズの技法として”アウト”というものがあります。 当ブログでも時折言及していますが、わざと音を外すというジャズ独特の演奏法です。 僕はこれにずっと疑問を持ってきました。 ジャズを専門的に学んだ人ならわかると思いますが、ジャズの世界では”アウト…

<逸脱>した若きジャズミュージシャンへ、39歳の元ジャズミュージシャンより

日野皓正児童虐待(ビンタ)事件について何度も書いてきましたが、この事件…というよりは渦中の中学生ドラマーに対する僕の”気持ち”は一切公にしてこなかったので、(たぶん)最後にそれを述べておきます。 以下は単なる僕の気持ちであり、事件に対する客観…

日本人が文化に接する際に持つ奇妙なダブルスタンダードについて

日本人がもつダブルスタンダード 以前にもどこかで書きましたが、日本人は様々な国内外の文化に対して奇妙なダブルスタンダードを持っていると僕は考えます。 自国の文化は国内外どこであろうと「日本的」であることを求めつつ、外国の文化が日本に入ってき…

ジャズにおける日野皓正の価値について元ジャズミュージシャンが本音で語ってみた

一連の報道で日野皓正というジャズミュージシャンをはじめて知ったという人は多いと思います。 ただ、この人が具体的にどういったアーティストで、どういった価値があるのかは熱心なジャズファンかジャズミュージシャンでないかぎりなかなかわからないと思い…

初心者が覚えておくべき、セッションでホストや目上の人にやると失礼にあたること

セッションには様々な作法や暗黙の了解がありますが、その中でも初心者が目上の人にやってはいけない、やったら失礼にあたることを書いておきたいと思います。 初心者の方は記憶に留めておいてください。 経験者の方は「あーおれもそれやって怒られたよw」「…

アドリブ(セッション)で「根回し」をやめるとどうなるか?

前回、アドリブ(セッション)で事前に根回しするのをやめようと言いました。では、「イントロは○小節で」「ここはオルタードテンションで」などの根回しをやめるとどうなるのか?

アドリブする前の根回しはやめろ! アドリブが日本人に馴染まない理由

アドリブという行為やそれを主体としたジャンルは、残念ながらいつまでたっても日本人には馴染みません。 どうしてだろうとずっと考えてきたんですが、先日ふと日本人のある習慣がアドリブの習得や演奏の足かせとなっているのではないかと思い当たりました。…

「ペンタ卒業」=「もうペンタを使わない」ではない コードトーンを学びはじめてもペンタは捨ててはいけない

ペンタ卒業? ある程度ペンタでソロが弾けるようになってくると、たいていのギタリストは「ペンタを卒業したい」と考え、コードトーンの使い方を勉強しはじめます。 僕もその流れを経験しましたし、レッスンでも普通に「ペンタを卒業する」と言ったり、教則…

アドリブは最小限の予習でトライしてから最大限に復習すると上達しやすい

僕はアドリブを教える時、生徒さんに必要最小限の情報を与えてすぐに「じゃあやってみよう」と実践してもらうようにしています。 そうやったほうが上達しやすいということを経験上知っているからです。 最小限の情報しか与えないのは、これから何をするかあ…

ジャズの初心者がヴォーカルジャズを聴くときの注意点

ロックやポップスをずっと聞いてきた人が何かのきっかけでジャズに挑戦してみようとし、インストは難しそうだけど歌ものなら入ってくるだろうと思って、有名なジャズヴーカルアルバムをいくつか選んで聞いてみたとします。 その時に、多くの人は次のような感…

ジャズ好きは性格悪い?という風説を考えていると、ジャズシーンが陰湿になりやすい原因がわかった気がする

ジャズシーンは陰湿だとよく言われていて、僕自身もそう思うしそういったことを見たりされたりもしてきました。 これまではジャズという音楽や、それを学ぶ過程で人がどこか陰湿になっていくものだと解釈していましたが、なんとなく違うのではないかと思い当…

ソロの弾き方で伸び悩んでいる人はいちど譜面にきっちり書いてみると欠点がよく見えてくる

ソロを譜面に書いてみると見えてくるものがある アドリブでもそうでない場合でも、自分のソロに不満があり伸び悩んでいる人は、いちどソロを譜面に書いてみると見えてくるものがあります。 アドリブの場合はきっちり弾いたものを後から譜面にする、そうでな…

アドリブ中級者はローポジションとハイポジションの行ったり来たりをやめよう

ギターでアドリブをする際、慣れてくるとローポジションとハイポジションを頻繁に行ったり来たりする人がいます。 いろんなポジションを使えた方がアドリブに幅が出るような気がしますが、行ったり来たりすることによるデメリットも存在します。

ジャズのリズム(スウィング)は体感できるまで時間がかかるので、すぐに評価を下さないほうがいい

ジャズにはジャズ独特のリズム感覚があり、それを「スウィング」と言います。 実はこれは、きちんと体感できるようになるまで結構時間がかかります。 アメリカに住む黒人の土着的なリズム感覚であり、日本人が持つリズムの常識とはかなりかけ離れているから…

アドリブで「◯◯が使える」という、ジャズ特有の自分本意な考え方

ジャズの人はよく、アドリブを説明する際、「ここは◯◯が使える」ということを口にします。 「コンディミが使える」とか「オルタードが使える」、「♯9thが使える」等々。 またジャズを習う人も、ここのコードで「何が使えるか」ということを質問したりします。

日本人にとってブルースは弾けてないことを認識するためにやるもの

西洋、特にアメリカでは、ブルースは常に敬意を持って扱われます。 どんなテクニカル志向のミュージシャンでも、ブルースをバカにしたり軽視するような発言はしません。 シュレッドギタリストやコンテンポラリージャズの最先端のプレイヤーでも、話したり習…

ブルースはミュージシャンとしての自分を測る基準になる

ブルースという音楽は不思議な音楽です。 アドリブを勉強する際に、一番最初に学ぶのはブルースです。 なぜなら簡単でとっつきやすいからです。 早い人なら、半年から一年もやれば「じゃあもう少し複雑なものを」と先に進むでしょう。

アドリブで使うベタなフレーズは「初心者向け」ではない

アドリブでよく使われるベタなフレーズは、決して「初心者向け」というわけではありません。 また、ベタなフレーズを使っているからレベルが低いとか、個性がないといったことでもありません。 そもそもベタなフレーズというのは、説得力があり、しかも使い…

アドリブ上達のコツは、手数ではなくひとつのフレーズをどれだけ使いまわせるか

アドリブ初心者から中級者は、アドリブを手数で乗り切ろうとしてしまいます。 そのため、やたら多くのフレーズを覚え、それらをどんどん投入していきます。 そうすると何となくよく弾けているような気になりますが、録音したものを聞いてみると、各フレーズ…

アドリブのエンディングをドラマーに伝えるタイミングは?

僕はアドリブにおいては、ドラマーとどう付き合うか、ドラマーをどうコントロールするかが勝負だと思っています。 というのは、ドラムという楽器がアンサンブル全体をコントロールしている指揮者だからです。

アドリブでエンディングが伝わらないのは、人を無視して記号を弾いているから

アドリブを教えていると、ほぼ全員エンディングがきちんと作れないということがわかってきました。 なので、僕のレッスンでは割と早い段階からエンディングが出せるように訓練します。 曲を始めるのは、最悪カウントでもできますがエンディングには多少の知…

アドリブの練習で忘れてはならないこと 引きこもり演奏にならないために

アドリブの練習や訓練法などは色々ありますが、どれを見ても一番大事な要素が抜け落ちていることに気づきます。 それを弾いたら他人がどう感じるのかという点です。 他人とはもちろん観客のこともありますが、アドリブの場合は共演者である他のミュージシャ…