アドリブの練習や訓練法などは色々ありますが、どれを見ても一番大事な要素が抜け落ちていることに気づきます。
「それを弾いたら他人がどう感じるのか」という点です。
他人とはもちろん観客のこともありますが、アドリブの場合は共演者である他のミュージシャンがどう感じるかと考えることも重要です。
ほとんどのアドリブ練習法はここがすっぽりと抜け落ちていて、自分が何を弾くかに終始しています。
だから独り言をつぶやいているだけの引きこもり演奏になりがちなのです。
僕もずっとそうでした。
例えば、あるフレーズを練習しているとします。
普通はそれをどこで使うか、上手く流れにのって自然に使えるか、といった点を重要視し、それができたら成功とします。
ここで終わるから引きこもり演奏になるのです。
本来大事なのは、そのフレーズを使ったときにアンサンブルに何が起こるかです。
そして、何かが起こったとき(その直後)に自分はどう反応できるかということも大事ですが、ここは実践経験が要るので上級編となります。
こうしたアンサンブルの反応を想定せずにただ自分が何を弾くかだけ練習しているとしたら、それは独り言の練習でしかありません。
しかし、そうした独り言の練習をしている人にかぎってインタープレイという言葉を使いたがるのが不思議です。
アドリブを練習している人、既に弾ける人、自分のお得意のフレーズでアンサンブルに何が起こるかきちんと理解し、想定できていますか?
自分が何を弾くか、どう弾くか、それが弾けたら成功…で終わっていませんか?
まあ、それでいいんならそれでいいんですが…
こういったことに興味がある人は、何をするにしても「それを弾いたらアンサンブルにどういう変化が起こるのか」を逐一考えてみましょう。
分からない人は、ジャズなら50年代前後のバップに「こうしたらこうなる」の模範例がぎっしり詰まっているので、じっくり聞き込んでいくとちょっとずつ分かっていくと思います。
詳しくはギター教室にて。