僕はアドリブを教える時、生徒さんに必要最小限の情報を与えてすぐに「じゃあやってみよう」と実践してもらうようにしています。
そうやったほうが上達しやすいということを経験上知っているからです。
最小限の情報しか与えないのは、これから何をするかあれこれ迷わないため、まだ弾けないのにいきなりトライしてみるのは状況に慣れるためと、総合的なサウンドを体感するためです。
そうしてとりあえず1回弾いてみた後であれこれとアドバイスをし、必要であれば情報を増やすようにしています。
もちろん、このときも必要最小限にとどめるようにしています(ボクシングのセコンドのイメージ)。
一見荒っぽいやり方のように見えるかもしれませんが、自分の体験と長年生徒さんを見てきた経験からこれがベストだと確信しています。
実際、早い人だと3ヶ月もすればそれなりに形になってきます。
この予習と復習のバランスが崩れると、おそらく上達はもっと遅くなるでしょう。
あるいは、いつまでたってもアドリブはできないかもしれません。
アドリブで一発勝負をするからこそ万全の準備をするべきだという考え方もわからなくもないですが、その万全の準備がいざという時に自分を迷わせている原因ともなるのです。
ですから、準備は最小限にしてとりあえずトライしてみることが大事です。
そもそも、教室のレッスンなんて誰も見てないし、失敗しても何のダメージもないですからね。
そしてアドリブをやってみて、足りないものあるいは過剰なものが見えたらその対策を練ればいいのです。
こういった事はなかなか1人ではできないので、僕は生徒さんの手助けのつもりで少ない情報で「はいやってみて」とトライさせるようにしています。
結果はすでに述べたとおり、早い人だと数ヶ月、まったくのギター初心者でも1年もすればブルースぐらいは弾けるようになっています。
もちろんそれは0が1になったというレベルですが、それは100を150にするよりもはるかに難しいことではないかと思っています。