ある程度ペンタでソロが弾けるようになってくると、たいていのギタリストは「ペンタを卒業したい」と考え、コードトーンの使い方を勉強しはじめます。
僕もその流れを経験しましたし、横浜ギター教室のレッスンでも普通に「ペンタを卒業する」と言ったり、教則本にも「脱ペンタ」というタイトルをつけていました。
しかし、この何気ない言葉が勘違いの原因になっていることにふと気がつきました。
コードトーンを使ってソロを弾こうとする人のほとんどは、本当にコードトーンだけを使おうとしてしまいます。
それを見ていて『なんでそんな窮屈なことをするんだろう?』と思い、そうじゃないよ、ペンタもダイアトニックスケールもその中の手癖も使っていいんだよと毎回説明するのですが、弾いている本人にしてみれば当然のことだったのです。
なぜなら…
ペンタを卒業する=もうペンタを使わない
と決めたのですから。
おそらくここに、できる人とできない人の大きな溝があるんだと思います。
できる人にとっての「ペンタ卒業」とは、ペンタ一発のソロから、ペンタもコードトーンも各種スケールもいい感じに混ぜて自分の表現をより深めることです。
ですから必要があればペンタ一発でも弾くし、コードトーンも多用します。
一方、できない人にとっての「ペンタ卒業」とは、文字度通り「ペンタを使わない(使ってはいけない)」となってしまうようです。
コードトーンを使うことは、ペンタを使わない(使ってはいけない)ということではありません。
また、ペンタを使っているからコードトーンは使えないということでもありません。
ペンタの中にコードトーンを混ぜることもできるし、場面場面でペンタとコードトーンを使い分けることもできます。
とにかく、コードトーンを使う=ペンタ卒業=もうペンタは使わないということではないのです。
これからコードトーンを使ったソロを習得したいという人は、間違ってもペンタという武器を捨てないようにしましょう。
ギタリストからペンタを取ったら他楽器の劣化版にしかなりませんからね(ジャズではもうそうなってしまってますが)。
余談ですが、ジャズはペンタを使わないというのも思い込みです。
ジャズギターはもちろん、ピアノも管楽器もペンタやベタベタのダイアトニックスケールなどを普通に使います。