アドリブ初心者から中級者は、アドリブを手数で乗り切ろうとしてしまいます。
そのため、やたら多くのフレーズを覚え、それらをどんどん投入していきます。
そうすると何となくよく弾けているような気になりますが、録音したものを聞いてみると、各フレーズのつながりが希薄で、全体的に何が言いたいのかわからないものになっているはずです。
ある程度アドリブが弾ける方で、そういった統一感のなさに気づき、横浜のギター教室に相談に来られる方もいます。
手数に頼ってしまうと、このようにソロ全体の統一感のなさに悩まされることになります。
そうならないために、僕の教室では1つのフレーズの使い回しを教えています。
まず、ベタなフレーズを1つ覚えます。
そこですぐ次のフレーズに行くのではなく、今度はその覚えたフレーズをどう変化させられるかを学んでもらいます。
一番わかりやすいのは、フレーズが最後に着地する音を変えてみることです。
全く同じフレーズで着地する音を変えるだけで、充分1コーラスぐらいはもってくれます。
しかも、同じフレーズを使い回しているのでコーラスに統一感が出てくれます。
アドリブはこのように、ひとつのフレーズをどれだけ広げていけるかというアプローチで進めていくべきです。
そうやって進めていくと、やたらとたくさんのフレーズを覚えなくて済むし、同時に自然と統一感のあるソロが弾けるようになっていきます。
手数を増やし、数の論理でどうにかアドリブをこなしていこうとすると、練習も疲れるし、その結果弾けるようになったソロも何が言いたいのかわからないものになってしまいます。
手数に頼ろうとしている人は、一度フレーズを増やすのをやめて、1つのフレーズの使い回しを練習してみてください。