アドリブでよく使われるベタなフレーズは、決して「初心者向け」というわけではありません。
また、ベタなフレーズを使っているからレベルが低いとか、個性がないといったことでもありません。
そもそもベタなフレーズというのは、説得力があり、しかも使い回しが効くフレーズのことです。
使い回しが効くので、いろんな人がいろんなジャンルで使うようになり、どこでも耳にするのでベタなフレーズという認識になったということです。
そういったベタなフレーズをしっかりとおさえておくことで、アドリブはむしろ豊かになります。
アドリブ初心者から少しレベルアップしてくると、自分だけのオリジナルフレーズを作りたくなってきます。
しかし、そういった試みはほとんど成功することなく、ゆっくりとベタなフレーズに戻っていきます。
ベタ→オリジナルフレーズの模索→ベタ回帰という流れは、個性を作ることに失敗したのではなく、ベタなフレーズの意義を改めて理解できるようになってきたということであり、むしろ成功といえます。
むしろベタに回帰できず、いつまでも奇抜なオリジナルフレーズを模索している方が失敗といえるでしょう。
ベタなフレーズは、力強く説得力があり、しかも使い回しが効くのでベタになったのです。
それらをしっかりと身に付けることで、力強く説得力があり、しかも全体的に統一感のあるアドリブができるようになってきます。
ベタなフレーズは、決して「卒業」するものではないということを覚えておきましょう。