八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

ギターの奏法、練習

ギターが上達したければ、習ったことを絶対に噛み砕こうとしてはいけない

横浜ギター教室でレッスンをしていると、時々教えた内容を噛み砕いてくる人がいます。 特に大人はその傾向が強いと言えるでしょう。 また、若い人でも熱心な人ほど自分で噛み砕こうとする人が多いです。 これは逆効果なのでやめておきましょう。 習ったこと…

ある練習内容を正しく維持できるのは平均2週間

ギターを長年教えてきて、最近やっと確信したことがあります。 それは、どんな練習であれ、その内容を正しく維持できるのは二週間程度だということです。 例えばアドリブを教えたとします。 教室で説明し、実践してもらったところ、こちらの言うことを正しく…

ギターでアルペジオを耳コピする方法

アルペジオの耳コピ方法を書いておきます。 「ギタリストのためのハーモニー」には書いていなかったので。 1、ルートをコピーする アルペジオで一番音の低い部分の動きをまずコピーします。 それが概ね各コードのルートとなります。 コードとして知りたい人…

楽器の練習には必ず「究明」「定着」という二つの段階がある

楽器の練習には必ず二つの段階があります。 ひとつは究明、もうひとつは定着です。 何かを練習しはじめたとき、最初はだいたい上手くできません。 そこでまず、できない原因を究明する作業が必要となります。 なぜできないのか、何が原因か……そのトピックに…

楽器を練習する際、思い込みはどこまでいってもついてくる。だから理論が必要

楽器を練習する際、思い込みは必ずつきまといます。 初心者だけでなく、プロも同様です。 僕自身フォームを専門に研究しているのに、気がついたら思い込みでフォームが崩れていたということが多々あります。 つい先日も軽い不調になり、色々調べた結果酷い思…

不具合が起こるフォームは全て間違っている

各楽器にはひとまず正しいとされているフォームがあります。 この「ひとまず」はウン100年かけてのひとまずもあれば、ウン10年でのひとまずもあります。 いずれにせよ、現時点で比較的多くの人、あるいは指導的立場の人が正しいと言うフォームです。 こ…

ベースの方に身体操作を教えたが、フォームに関してはギターと全く同じだった

横浜ギター教室にて、久々にベースの方にフォームをお教えしました。 以前にもベーシストに教えたことはあるのですが、 そのときはグルーヴなどの話が中心だったので、がっつり身体操作を教えたのははじめてかもしれません。 ギターとベースはシステムとして…

ギターのフォームの矯正で難しいのは、どんな動きを習得するかではなく、動かしてはいけない部位を動かさないこと

横浜ギター教室に、以前にもましてフォームを習いに来る人が増えてきました。 僕が4年かけて開発した新しいピッキングフォームに興味を持ってもらえるのは嬉しいかぎりです。 教えていて改めて感じるのは、何を習得するかよりも、やったらダメなことをやら…

楽器が急に弾きたくなくなったときは成長のサインであることが多い

楽器を練習していて、あるとき急に弾きたくなくなることがあります。 まだ歴が浅いとあせったり、びっくりして悩んだりしてしまう人もいるでしょう。 個人的に、楽器が急に弾きたくなくなるのは成長のサインではないかと考えています。 僕は近年DMN(デフォ…

ひたすら弾くだけでは絶対に楽器は上達しない 自分の練習に理論があるかを考えてみよう

楽器の練習法として、ただひたすら弾くだけ、ひらすら長時間練習するだけというものがあります。 そもそもこれ自体「練習法」とはいえないのですが、そういったことを言う人は多いし、実際にやっている人もまだまだ多いと思います。 はっきり言いますが、時…

ミュージシャンが自分の演奏フォームに理論を持つことの意義

エレキギターという楽器は、誕生から2019年現在までフォームや奏法についての理論が存在しませんでした。 現在セオリーとされているいくつかのフォームも、時間をかけて自然と集約されたものであり、なぜそうなるのか、なぜそうするべきなのかといった疑…

僕の研究した楽器のための身体操作がギター以外にも広がっています

僕が長年研究してきた楽器のための身体操作、特にここ4年で発見した腕や指の使い方が、最近横浜ギター教室を介してギター以外の楽器奏者にも広がっています。 今のところベースのフィンガーピッキング、ドラムのスティックコントロール、ヴァイオリンのボウ…

5日間ギターの練習をやめてみた デフォルトモードネットワークの実験

2018年12月29日~2019年1月2日まで、5日間一切ギターを触らないとう実験をしていました。 普段から意識してオフを取るようにはしていたんですが、さすがに5日間も休めることはそうそうないので、この機会に実験してみることにしました。 初…

いくら楽器も身体操作だといっても、ミュージシャン経験がない人には結局実情はわからない

ある身体操作の専門家が、ミュージシャンを集めた講習で「腱鞘炎になる人はプロ失格」と言っていました。 その先生はミュージシャンでもなく、おそらく楽器もできない人です。 その人には元々興味はあったんですが、この言葉を聞いて心底がっかりしました(…

ギタリストは音楽的にレベルアップしたかったら歌伴をやろう!

先日、横浜ギター教室のレッスンで歌を歌う生徒さんに「歌いやすい伴奏」「歌いにくい伴奏」というのをやってみたら、それぞれドンピシャでびっくりされていました。 歌いにくい伴奏は、自分の殻にこもって自分の演奏を一生懸命やる。 歌いやすい伴奏は、相…

最初からギターが上手い人はだいたい10年ぐらいしたら頭打ちになるので気を付けよう

ギターをはじめてまだ数年しか経ってないのにわりとなんでも弾ける人がいます。 一昔前だと地元ではヒーローになれたタイプです。 今はYOUTUBEがあるのでまた色々と違うのかもしれませんが。 実はこういうタイプが後々苦労します。 なぜかというと、自分の技…

イングヴェイ研究終わり

3年半ほど前からイングヴェイの研究をしてきましたが、今日終了しました。 といっても全部わかったとかイングヴェイなんでも弾けるということではなく、イングヴェイのピッキングから抽出できる普遍的なロックピッキングのフォーム、発音、身体操作などが僕…

練習を休むベストなタイミングは? DMN(デフォルトモードネットワーク)の有効活用

以前こちらの記事に、脳の機能「DMN(デフォルトモードネットワーク)」と上達の関係性について書きました。 k-yahata.hatenablog.com 未読の方は上記記事を先にお読みください。 しっかり練習→1日休養が上達に不可欠であるということはご理解いただけると…

裕福で時間があるから楽器が上達するという幻想

先日たまたまあるブログを読みました。 内容は、中学で楽器にのめり込み、大学で挫折しその後何年かして回想したものです。 若い人らしくいろんな感情が入り交じった文章でしたが、行間から読み取れたものは、「結局楽器なんてものは裕福で時間があるやつに…

心に傷をつけてまで人の能力を伸ばす必要はない

僕の世代(1978年、昭和53年生まれ)は、ハラスメントによって能力を引き上げるという指導法が当たり前に行われていました。 怒鳴る、暴力(体罰)、人格否定、脅迫、強要、果ては洗脳などなど。 そうした指導者が口を揃えて言うのは、「相手のため」…

チョーキングと表現 チョーキングは弦を上げて音程を変えるだけではない

チョーキングについて研究しているギタリストは多いと思います。 しかしその研究は、どちらかというとピッチを正確にするにはどうすればいいかとか、腕に負担をかけないためにはどうすればいいかといったことに終始しているように思えます。 確かにそれらも…

レゲエを教えるギター教室

滋賀でギター教室をやってた頃からそうなんですが、現在の横浜ギター教室でもレゲエを教えています。 カリキュラムで全員必ずやるというわけではありませんが、継続して通っていただければどこかの時点で必ずレクチャーします。 というのは、レゲエは現代音…

アコギが弾ければエレキも弾ける? アコギを弾くことでエレキギターに還元されることは?

一昔前はよく「アコギが弾けたらエレキも弾ける(だからアコギからはじめなさい)」などと言われていました。 これが間違いであることは現在では常識になっていると思います。 ではアコギを弾くことでエレキギターに還元されることは何もないのかというと、…

速弾き練習でゆっくりから徐々に弾かないといけない理由

速弾き練習でよく「ゆっくりから徐々に弾く」とレクチャーされたりします。 横浜のギター教室でもそう教えることもあります。 ここで、改めてもう一つゆっくりから弾かないといけない理由を述べておきたいと思います。 フォームが未完成なうちから速いピッキ…

ギターを弾くために必要な筋肉はしっかり鍛えないといけない

僕は教則本でも横浜ギター教室でも、ずっと脱力を提唱してきていますが、筋肉を鍛えることを否定しているわけではありません。拙著「ギタリスト身体論」にも書いていますが、必要な筋肉はちゃんと使わないとギターを弾くことはできません。 そして、その必要…

習い事をしている人は先生と仲良くなりすぎないようにしたほうがいい

比較的真剣に習い事をしている人は、今習っている先生と仲良くなりすぎないように気をつけたほうがいいです。 何故かと言うと、先生と仲良くなりすぎることで、今後の自分の変化にブレーキがかかる可能性があるからです。 例えばある先生にしばらく習ってい…

ギターで1〜3弦の右手ミュートは結構使える

低音弦の右手ミュートは大体誰でもできると思いますが、意外と語られることのないのが1〜3弦の右手ミュートです。 そんな細い弦をミュートしてしまったらろくに音も出ないんじゃないかと思ってしまいますが、意外と使える場面はたくさんあります。 ファンク…

「弾ける」にもいろんな段階や視点があることを知ろう

ここ最近、デスクワークをしながら久々にレニクラ(Lenny Kravitz)を聞いていました。 レニー・クラヴィッツ - Wikipedia 初めて聞いたのは中学生の時で、かれこれ24、5年経ちますが今聞いてもやっぱりしびれるぐらいかっこいいです。 聞いているうちに、そ…

ピッキングの脱力を目指すならイングヴェイの右手を徹底的に観察しよう

2年半ほど前にピッキングの研究を始めてから、とりあえず基準をイングヴェイとしてきました。 イングヴェイ・マルムスティーン - Wikipedia なぜイングヴェイかと言うと、僕が知っている限りで最も脱力できているロックギタリストだからです。 ですからその…

ギターを弾いていて痛みが出たらそれが「答え」なので、後はこう対処すればいい

ギターやその他楽器を弾いていて、どこかが痛くなったとします。 その痛みは、自分がやってきたことのひとつの「答え」です。 もちろんそれは、何かが間違っていたという意味です。 日本人は失敗恐怖症ですから「自分のやっていたこと間違っていた」とわかる…