八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

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心に傷をつけてまで人の能力を伸ばす必要はない


八幡謙介ギター教室in横浜

僕の世代(1978年、昭和53年生まれ)は、ハラスメントによって能力を引き上げるという指導法が当たり前に行われていました。

怒鳴る、暴力(体罰)、人格否定、脅迫、強要、果ては洗脳などなど。

そうした指導者が口を揃えて言うのは、「相手のため」「そうすることで能力が上がる」というハラスメント容認論です。

そして、そうしたハラスメントで能力をあげて結果を出した人を例に挙げ自己正当化します。

確かに、そうしたハラスメントで能力を上げ、大会で優勝した、プロになったといった結果を出す人もいます。

また、そうやって結果を出した人は口をそろえてハラッサーを”恩師”とし、その指導法が正しかった、感謝していると述べます。

当たり前です、なぜならその指導法を否定することは自分の出した結果を否定することになるので。

しかし、その輝かしい結果の裏でその人の人格が傷つき、本人も自覚できないところで深層心理に闇を抱えてしまっていたとしたらどうでしょう?

それは成功と言えるのでしょうか?

あるスポーツの指導者がいます。

その人は娘にもそのスポーツを厳しく指導していました。

その話を何度か聞いたことがあったのですが、現代の感覚では間違いなく虐待です。

しかもその人はとても楽しそうに生き生きと娘さんへの苛烈な指導(虐待)について話していました。

娘さんは成長し、立派に結果を残したのですが、一度お会いしたとき僕は思わず「あっ!」と声を上げそうになりました。

なぜなら、以前家族からの虐待を受け自殺した知人女性と全く同じ目をしていたからです。

また、鬱を煩っている人独特の暗さ(その人の背景だけが薄暗く感じる)もありました。

その指導者の娘さんは明らかに心に深い傷を負っていました。

もちろんそんなことは一切話しませんでしたが。

 

結果さえ出せばあとはどうでもいいというのなら、ハラスメント的指導はきっと有意義なのでしょう。

しかし、対象の人格も含めて指導するとしたら、ハラスメントは厳禁です。

ハラスメントを行う指導者ほど「人格が」「人間形成が」とたいそうなことを言う傾向があるのは、きっと自分が指導対象を傷つけているのを知っていて、その後ろめたさから自然とそういった言葉が出てくるのでしょう。

 

ハラスメントが能力開発の最有効手段であるとする指導者は、人間を軽視あるいは無視しています。

そうして、対象を機械として扱っています。

どんないいわけをしようが、ハラスメントという行為がそれを如実に物語っています。