ギターをはじめてまだ数年しか経ってないのにわりとなんでも弾ける人がいます。
一昔前だと地元ではヒーローになれたタイプです。
今はYOUTUBEがあるのでまた色々と違うのかもしれませんが。
実はこういうタイプが後々苦労します。
なぜかというと、自分の技術に論理がないからです。
最初からなんでも器用にこなせる、ちょっと練習したらできるようになるという人は、いちいちそれがどういう仕組みで成り立っているのか、なぜ自分がそれをできるのかなんて考えたりしません。
そうして早々と音楽活動をはじめ、周りがうらやむような音楽生活を送ります。
このスピード感が実は後々仇となってきます。
例えば何かでスランプに陥り、今まで何も考えなくてもできたことができなくなったとします。
苦労に苦労を重ねて何かを習得した人なら、その苦労を思い出せばたぶん解決策は見つかるでしょうが、大して苦労もせずいつの間にかなんでもできるようになった人は、スランプを抜け出すヒントが見つからずに途方に暮れます。
また、早くから音楽活動をしてきたせいで、自分の中に音楽的な蓄積が乏しいということにも気づくはずです。
もちろん、音楽活動をしながらいろんなものを吸収して成長していく人もいますが、多くの人は今音楽活動している自分に満足し、それ以上のものを探そうとはしません。
そして、ふと立ち止まったときに自分の中に何も蓄積がないことに愕然とします。
これらは想像や思いつきで言っているのではなく、ギター講師として関西や横浜のギター教室で実際に生徒さんと接してきた経験から述べています。
経験上、ギター歴10年以上でそこそこ弾けて、そこそこ活動してきた人が一番苦労し、悩んでいます。
もちろん、初心者には初心者の悩みがあり、プロにはプロの悩みがありますが、最初からそこそこ弾けてそこそこ活動してきた人は、格別の悲壮感が漂っています。
もちろん教室としてはどんなレベルでも全力でサポートしますが。
ギターを手にして、練習してたらわりと何でも弾けるようになってきた、あんまり苦労してないよという方は、だいたい10年過ぎたあたりから落とし穴があるので気を付けましょう。
逆に、一生懸命練習してるのに何も弾けるようにならないと落ち込んでいる方は、今苦労している分続けていればどこかの時点から楽になってきます。