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ミュージシャンが自分の演奏フォームに理論を持つことの意義


八幡謙介ギター教室in横浜

エレキギターという楽器は、誕生から2019年現在までフォームや奏法についての理論が存在しませんでした。

現在セオリーとされているいくつかのフォームも、時間をかけて自然と集約されたものであり、なぜそうなるのか、なぜそうするべきなのかといった疑問に隅々まで答えられる人はいません。

これはエレキギターに限らず、どうやら楽器全般に言えることのようです。

これまで、ピアノやヴァイオリンなど歴史の古い楽器はさぞかしフォームが体系化されているものだろうと想像していましたが、どうもそうではなさそうだと近年感じるようになりました。

 

例えば、横浜ギター教室で歴60年のヴァイオリニストに親指の使い方を教えたところ、最初はヴァイオリンの奏法にそんなものはない、だからありえないと全否定していましたが、後日やってみたら弾きやすくなったとお礼を言われたことがあります。

僕からすれば近年発見した身体理論の中でもかなり分かりやすいものに過ぎませんが、ヴァイオリンの歴史にはどうもそれがないようです。

もちろん、たったこれだけでヴァイオリンの歴史を卑下するつもりは全くありませんが、意外と視野が狭いようだとは思っています。

楽器に歴史があるから、その分あらゆる視点でフォームを検証済みではないということは間違いないようです。

 

フォームに理論を持つということはどういうことでしょうか?

まず、練習の方向性が定まります。

エレキギターなどではいまだに、フォームの形成を時間にゆだねていますし、他の楽器もそういった傾向があるように思われます。

要するに、長年練習すればフォームなんぞ自然と定まっていくという考え方です。

これは逆に言えば、フォームが定まらないからだらだらと長期間練習していると言えます。

フォームが理論化されていれば、まずそれを習得し、そしてそのフォーム通りに演奏できるように訓練すればだらだらと長時間練習する必要もなくなります。

 

また、理論化されたフォームは自らをスランプから救ってくれます。

自然に身についたフォームは、理論が存在しないため、再現が困難となります。

あるときは理想的な演奏が出来ていたのに、後日それを忘れてしまい、どうやっても思い出せないということは、長年楽器を弾いていれば一度くらいはあるでしょう。

そのとき、ピックはこう持つ、手首はこう使う、肩はこう使うというようにフォームが理論化されていれば、仮に忘れたとしても再現は可能です。

ですから未来のスランプ対策としてもフォームを理論化することはとても重要なのです。

 

2015年から4年かけてピッキングフォームを理論化し、現在完成したものをレッスンで教えていますが、その効果は日々実感しています。

また、ギターだけでなく他の楽器奏者に対しても少しずつ広まっています。

 

追記:「ギタリスト身体論3」2021年12月に刊行されました。下記参照。