八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

2017-01-01から1年間の記事一覧

はじめてのジャズ 13 swing(スイング)について ③スイングは日本人にとって歪(いびつ)なリズム

スイングというリズムやその感覚は、言うまでもなくアフロアメリカンのものです。 そこにはアフロアメリカンの音楽感はもちろん、美意識や哲学、精神までも内包されています。 それについてはおいおい説明していくとして、ここでひとつ知っておいてもらいた…

はじめてのジャズ 12 swing(スイング)について ②スイングはパターンではなく感覚

ジャズをはじめたとき、スイングとはドラムが演奏する「チーンチキ・チーンチキ」というシンバルのパターンのことだと教わりました。 確かに、これはジャズ特有のパターンでロックでもポップスでもボサノバでも使われません(ジャズテイストを加えるためにあ…

はじめてのジャズ 11 スイングについて ①日本人にスイングは難しい

アドリブと同様、ジャズをジャズたらしめている要素がもう一つあります。 それがスイング(swing)です。 スイングとは単純に言うとリズムの一形態のことで、よく「ウキウキするようなリズム」とか、「跳ねる感じ」などと言われます。

はじめてのジャズ 10 ジャズの仕組み ⑦アドリブってソロだけなの?

ジャズではそれぞれがソロを取るとき即興(アドリブ)で行っていることはよく知られています。 ではソロ以外のセクションではどうなのか? また、誰かがソロを演奏しているとき伴奏者は何をしているのかというと、ちょっと聴いただけではわかりません。 そこ…

はじめてのジャズ 9 ジャズの仕組み ⑥ジャズでよく使われる楽器は?

ジャズでよく使われる楽器は? 知ってるようで意外とちゃんとは知らない人も多いかと思います。 ではそれぞれの楽器と、ジャズの世界でのポジション(?)をクラスに例えて解説してみましょう。

はじめてのジャズ 8 ジャズの仕組み ⑤なぜオリジナルじゃなくスタンダードを演奏するの?

ジャズミュージシャンはオリジナルの楽曲ではなくスタンダードを演奏することが多いと書きました。 ではなぜそんなことをするのでしょう? 自分の曲の方が楽しいだろうし、自分の曲を作って演奏した方がお金が入るはずです。

はじめてのジャズ 7 ジャズの仕組み ④アドリブって何やってんの?

前回の記事でジャズの楽曲のおおまかな仕組みが分かっていただけたと思います。 では今回はジャズにおける最も重要なパート、「アドリブ」についてご説明します。

はじめてのジャズ 6 ジャズの仕組み ③楽曲の基本構造を知ろう

ジャズをはじめて聴いた人は、だいたい「なにをやっているのかわからない」と感じるようです。 確かに、僕も最初はそう思ったように記憶しています。 ここで、「じっと聴いていたらわかってくるよ」 とか、「わからなくてもいい、感じるんだ」と答えてしまえ…

はじめてのジャズ 5 ジャズの仕組み ②ジャズミュージシャンは原則オリジナルを演奏しない

ジャズでは一般的にオリジナル曲をあまり演奏しません。 もちろんそういう人もいるし、そういう作品もありますが、生涯にわたってオリジナル曲しか演奏しないジャズミュージシャンはまれでしょう。 では何を演奏するかというと、スタンダードと呼ばれる古い…

はじめてのジャズ 4 ジャズの仕組み ①ジャズは個人戦の音楽

ではしばらくジャズという音楽の仕組みについて解説したいと思います。 普通の音楽ファンにとってバンドとは、固定されたメンバーで音楽性やイメージを固めていくものでしょう。 仮に脱退やクビなどによるメンバーチェンジがあったとしても、それはハプニン…

はじめてのジャズ 3 誰でもわかる簡単ジャズ史 

ではここでジャズの歴史をざっくりと書いておきたいと思います。 難しいことは思い切って省きます。 マニアな人や専門家はスルーしてください。

はじめてのジャズ 2 ジャズを楽しむために知っておくべきこと

ロックやポップス、アイドルなどは、予備知識がなくてもすぐに楽しめます。 しかし、ジャズはある程度予備知識がないと何が何だかわからずに挫折してしまいがちです。 とはいえ、ジャズの歴史やジャズが生まれた社会的背景を真面目に説明しようと思うとかな…

はじめてのジャズ 1 あえてジャズを「難しい」と捉えてみよう

一般的に、ジャズは難しいとされます。 と言うと「ジャズは全然難しい音楽じゃない。リズムに乗って楽しめばそれでいい」とジャズ側から無責任な反論が必ず起こります。 もちろん、こんな言葉には何の意味もありません。

<逸脱>した若きジャズミュージシャンへ、39歳の元ジャズミュージシャンより

日野皓正児童虐待(ビンタ)事件について何度も書いてきましたが、この事件…というよりは渦中の中学生ドラマーに対する僕の”気持ち”は一切公にしてこなかったので、(たぶん)最後にそれを述べておきます。 以下は単なる僕の気持ちであり、事件に対する客観…

日本人が文化に接する際に持つ奇妙なダブルスタンダードについて

日本人がもつダブルスタンダード 以前にもどこかで書きましたが、日本人は様々な国内外の文化に対して奇妙なダブルスタンダードを持っていると僕は考えます。 自国の文化は国内外どこであろうと「日本的」であることを求めつつ、外国の文化が日本に入ってき…

日野皓正児童暴行事件について 音楽的質問への回答

僕は基本的にツイッター上では議論しないようにしているのですが(収集つかなくなるため)、本日 @meemee_hitsuji3さんから核心を突いていると思われるリプが来、スルーするのももったいない気がしたのでご本人の許可を取った上で引用、返信し皆さんと共有し…

ジャズにおける日野皓正の価値について元ジャズミュージシャンが本音で語ってみた

一連の報道で日野皓正というジャズミュージシャンをはじめて知ったという人は多いと思います。 ただ、この人が具体的にどういったアーティストで、どういった価値があるのかは熱心なジャズファンかジャズミュージシャンでないかぎりなかなかわからないと思い…

日野皓正児童虐待(ビンタ)事件について元ジャズミュージシャンが考えてみた 追記

ビッグバンド形式での<逸脱>は正当か? 確かに、ビッグバンド形式ではよりかっちりしたアレンジと、各パートの自制や連携が求められます。 とはいえ、ありかなしかで言うと、僕はありだと思いますよ。 ただし<回復>あるいは<着地>がちゃんと見えていて…

日野皓正児童虐待(ビンタ)事件について元ジャズミュージシャンが考えてみた

日野皓正ビンタ事件 ジャズトランペッターの日野皓正がコンサート本番中に舞台上で中学生のドラマーからスティックを取り上げ、さらに往復ビンタという暴行に及んだ件について、元ジャズミュージシャンという立場から考えてみました。

エレキギターは不良と言われ、学校で禁止されていた時代があるって知ってました?

今や完全に市民権を得て、誰が弾いていても全然おかしくないエレキギター。 それこそオタクだろうが女性だろうが、サラリーマンやおじいちゃんがエレキギターを普通に弾く時代です。 横浜のギター教室にも、実に様々な方がギターや音楽を習いに来られていま…

アコギが弾ければエレキも弾ける? アコギを弾くことでエレキギターに還元されることは?

一昔前はよく「アコギが弾けたらエレキも弾ける(だからアコギからはじめなさい)」などと言われていました。 これが間違いであることは現在では常識になっていると思います。 ではアコギを弾くことでエレキギターに還元されることは何もないのかというと、…

速弾き練習でゆっくりから徐々に弾かないといけない理由

速弾き練習でよく「ゆっくりから徐々に弾く」とレクチャーされたりします。 横浜のギター教室でもそう教えることもあります。 ここで、改めてもう一つゆっくりから弾かないといけない理由を述べておきたいと思います。 フォームが未完成なうちから速いピッキ…

ギターを弾くために必要な筋肉はしっかり鍛えないといけない

僕は教則本でも横浜ギター教室でも、ずっと脱力を提唱してきていますが、筋肉を鍛えることを否定しているわけではありません。拙著「ギタリスト身体論」にも書いていますが、必要な筋肉はちゃんと使わないとギターを弾くことはできません。 そして、その必要…

歴史的作品の価値が分からなければ、自分が未熟だと思っておいた方がいい

すでに歴史的価値を付与された作品があり、試しに触れてみたところ全然良いと思えなくて困惑したという経験は誰しもあると思います。 その時に二通りの反応があります。 一つは自分がその作品を鑑賞するレベルに到達していないからわからなかっただけという…

初心者が覚えておくべき、セッションでホストや目上の人にやると失礼にあたること

セッションには様々な作法や暗黙の了解がありますが、その中でも初心者が目上の人にやってはいけない、やったら失礼にあたることを書いておきたいと思います。 初心者の方は記憶に留めておいてください。 経験者の方は「あーおれもそれやって怒られたよw」「…

アドリブ(セッション)で「根回し」をやめるとどうなるか?

前回、アドリブ(セッション)で事前に根回しするのをやめようと言いました。では、「イントロは○小節で」「ここはオルタードテンションで」などの根回しをやめるとどうなるのか?

アドリブする前の根回しはやめろ! アドリブが日本人に馴染まない理由

アドリブという行為やそれを主体としたジャンルは、残念ながらいつまでたっても日本人には馴染みません。 どうしてだろうとずっと考えてきたんですが、先日ふと日本人のある習慣がアドリブの習得や演奏の足かせとなっているのではないかと思い当たりました。…

「ペンタ卒業」=「もうペンタを使わない」ではない コードトーンを学びはじめてもペンタは捨ててはいけない

ペンタ卒業? ある程度ペンタでソロが弾けるようになってくると、たいていのギタリストは「ペンタを卒業したい」と考え、コードトーンの使い方を勉強しはじめます。 僕もその流れを経験しましたし、レッスンでも普通に「ペンタを卒業する」と言ったり、教則…

「褒められる」がモチベーションだと後々苦労するだろうから僕はやらない 2

「褒められる」がモチベーションとなってしまうと、教室外での活動を始めた途端潰れてしまうかもしれないと前回書きました。 k-yahata.hatenablog.com では講師はどう教えればいいのでしょうか? また、生徒はどういう気構えで習うべきなのでしょうか? 個人…

「褒められる」がモチベーションだと後々苦労するだろうから僕はやらない 1

「褒めて伸ばす」という教え方があります。 確かに、誰でも褒められると嬉しいし、嬉しいとモチベーションが湧いてきます。 短期的なレッスンや、子供を対象としたものならそれでもいいのかもしれません。 しかし、対象が大人でしかも長期的なレッスンを視野…