前回の記事で、
・最新のジャズギターにはだれも興味ない
・みんなが好きなのはやっぱりBLUESフィーリング溢れるギター
と書きました。
そうなると、普通は需要と供給の法則で、新しいジャズギターは淘汰され、往年のスタイルが復活してくるはずです。
しかし、ここにジャズギター界独特の問題が存在し、往年のスタイルは頑として阻まれ、いわゆる「新しい」ジャズギター(一般的には需要のない)がまだまだ受け入れられているという奇妙が現象が起こっています。
その原因は簡単です。
ジャズギター界の需要はジャズギタリスト(アマチュア含む)だからです。
御存知の通り、ジャズギタリストは数だけはやたらと多いのが特徴です。
当然、彼らはプレイヤーでもあり、ジャズギターというマーケットの最大の顧客でもあります。
言うなれば、ジャズギタリストの生命線をジャズギタリストだけで握っているのです。
当然、供給する側のジャズギタリストは、ジャズギタリストの需要に訴える必要があります。
そこで往年のスタイルで演奏するとどうなるか?
恐らく「古い!」と一蹴されて終わりでしょう。
あるいは、何十年も前のスタイルをいまだに踏襲し、新しい価値感を提示できない怠慢なギタリストであるとレッテルを貼られるかもしれません。
そうなると最大の顧客を失ってしまいます。
そうならないためには、ジャズギタリストが好きそうなマニアックな演奏を追求していく必要があります。
そうすると、ジャズギタリストたちが「なんだなんだ」と寄って来て、狭い世界でもどうにかやっていける、というわけです。
しかし、そちらはそちらで、音楽的可能性としても、ビジネスとしても、既に完全に行き詰まっています。
ジャズギターは昔日のスタイルに戻っても地獄、最新のスタイルを追求してもやはり地獄という泥沼状態なのです。
この現状を打破するための明確なアイデアを持っている人は、恐らく世界中探してもいないでしょう。