ギタリストに多いのが、機材沼にハマってしまう人。
とにかく異常なほど機材ばかり買ったり、機材いじりに異様に時間を使ってしまう人が多いです。
もちろんエレキギターはその特性上機材が絶対に必要になるし、ケーブルひとつでも使い切れないほど種類があり、ギター、ケーブル、アンプ、エフェクターなどなどの組み合わせを試していくと可能性は無限に広がっていきます。
それを面白いと感じる人はもう機材沼に片足をとられていると思っていいでしょう。
しかし、いかにエレキギターといえども楽器は楽器です。
楽器というものは本来自分の奏法で音を作っていくものです。
そうでなければ機材というものが存在しないグランドピアノや管楽器などは、同じ楽器なら皆同じ音がするという理屈になります。
もちろん、そうでないことはクラシックなどを聴けばすぐに分かります。
全く同じ楽器を同じセッティングで違う人が弾けば違う音になるのは当たり前です。
ある有名なギタリストがツアー先で機材の到着が間に合わず、仕方なく現地で聞いたこともないギターとアンプを調達し使ってみたところ、いつもの自分の音が出て驚き、それ以来機材に何のこだわりも持たなくなったというエピソードもあります(確かパット・メセニーだったか)。
エレキギターの音を作るのは機材ではなく、究極は自分です。
といっても機材を変えれば確かに音は変わります。
が、よくよく聞けば本質的には同じだったりします。
実はこれは当たり前で、ピッキングという「入力」が同じであれば、ギターやアンプ、エフェクターに伝わる信号は同じだからです。
その信号の拾い方、増幅の仕方は機材によって異なりますが、本質的な変化は起こりません。
例えば同じ音源を違うオーディオで聴いたとき、オーディオごとに音質は変わりますが、本質的に全く異なる音になるということはありません。
アマチュアの質の悪い音源が、高級オーディオで再生した途端一流のプロの音源に変わるということがないのと同じです。
残念ながら、アマチュアギタリストが高級機材を揃えたところで、本質的には何も変わりません(表面的には変わりますが)。
余談ですが、僕が機材ではなくフォームに特化しはじめたのは、その方がコスパがいいからです。
なんといっても、一通り機材が揃っていればフォームの矯正や研究はタダですからね!
もちろんそれだけではなく、フォームがよくなれば疲れなくなるし、怪我も回避できるし、音もよくなり、楽器も上達します。
物価が上がり、コロナも終わらず先行きの見えない時代、無理して機材に沼るよりもコスパのいいフォームに沼りましょう!
機材に凝るのはもっと上達し、経済的に余裕が出てからで全然遅くありません。