以下は様々な立場で音楽と真剣に向き合いたい人に向けた内容です。
ただ楽しみで聴いているだけの人はスルーしてください。
ミュージシャンやエンジニアなど、音楽関係の仕事を目指しているのにスマホでしか音楽を聴いたことがないという人は、自分はまだ音楽を聴いたことがないと思ってください。
それぐらい、スマホから出てくる音は陳腐です。
なぜかというと、スマホは音楽再生装置ではなく、音楽も再生できちゃう小型コンピューターであり、スマホのスピーカーは小さすぎて音源の「音」を再現することが不可能だからです。
そういったことはオーディオとサイズを比較してみれば分かります。
音源を再生するためには、アンプが必要となります。
アンプとは、音を増幅させる装置です。
スマホには最初からこれが内蔵されています。
オーディオではプリメインアンプという装置を購入する必要があります。
難しいことはさておき、そのプリメインアンプはどれぐらいのサイズなのでしょう?
こちらの動画を観てみると分かりやすいです。
テーブルの上に置いてある銀色の箱がプリメインアンプです。
でかいです。
重いです。
邪魔です。
で、じゃあこの箱で何をするかというと、
音量を上げ下げする。
ほぼこれだけです。
もちろん他にも機能はありますが、原則としては音源の音を受けてその音量を上げ下げした信号をスピーカーに送るための装置です。
信じられますか?
掌サイズのスマホでできることを、こんなバカでかい装置を使って行うんです。
しかも、これだけでは音は出ないので、音源再生装置とスピーカーを別途購入する必要があります。
今の若い子なら、オーディオ業界が技術革新できていないだけとか、儲けを得るために余計な装置をつけてるんだろうと考えてしまう人もいるかもしれません。
でも違うんです。
色々とオーディオを試してみると、音源を標準程度の音で再生するためには、どうしてもこのサイズのプリメインアンプが必要になるということが分かります。
スマホはもちろん、ラジカセでもミニコンポでも、小型プリメインアンプでもダメです。
まともに音を再生するためには、平均で横40センチ、奥行き30センチ、高さ15センチぐらいのサイズが必要のようです(スピーカーはサイズ感が別ですが、やはり大きさは必要)。
これでもやや小さいぐらいでしょう。
音源の音量をちゃんと上げ下げするためだけでも、どうしたってこのサイズが必要になってくるということです。
ここで改めてスマホを考えてみましょう。
サイズは比較にならないほど小さく、さらにその中にあれもこれもできる装置が組み込まれていて、そのほんのおまけとしてアンプが内蔵されています。
オーディオメーカー各社が技術の粋をつくしてもどうしても上記サイズを必要としてしまう装置が、掌に納まるデヴァイスの中に組み込まれてしまっている。
これが「いい音」を出してくれるわけがないということは想像できると思います。
再生装置然り、スピーカー然りです。
モノには最低限必要なサイズというものがあります。
それよりも小さくするためには、大事なものを削ったり捨てていく必要があります。
音楽においては、最も重要な要素である「音」を削ってデヴァイスのサイズを縮小化していくという悲しい出来事がここ20年以上続いているのが現状です。
もちろんそれが便利で楽しいという人はそれで問題ありません。
そういう時代なのですから。
ただ、音を追求するミュージシャンや音楽関係者はそれではいかんだろうと。
例えるなら、本格イタリアンのシェフになりたい人がサイゼリアと宅配ピザしか喰ったことがないようなもんです。
イタリアンシェフになりたければ美味しいイタリア料理をたくさん食べてその味を体感する必要があります。
音楽もそれと同じです。
なので、音楽と真剣に向き合いたい人は、スマホというおまけのおまけで音楽も聴けちゃうデヴァイスで聴くのはやめて、安くてもいいからまともなオーディオを揃えましょう。
やり方はこちらに書いています。
もし近所や通える場所にちゃんとしたオーディオで音楽を聴かせてくれるお店があれば一度でいいから行ってみましょう。
可能であれば、その店のオーディオで好きな音楽を聴かせてもらいましょう。
スマホでしか音楽を聴いていない人は、脳みそがぶっとぶほど驚くと思いますよ。