Apple Musicでブルースをあれこれ聴いていたら、知らないギタリストを発見しました。
ルーサー・アリスン(Luther Allison)です。
アルバムも多く、ブルース界にはしっかりと痕跡を残しているようですが、日本での知名度は低いようです。
僕もつい先日まで全く知りませんでした。
ルーサー・アリスン(Luther Allison)
1939年~1997年。
バディ・ガイ(1936年)と同世代ですね。
50年代からハウリン・ウルフやフレディ・キングらと共演していたようです。
デビューアルバムは1967年にリリースしています。
1979年にヨーロッパに移住、その後90年に帰国。
Apple Musicには帰国後の90年代のスタジオアルバムと、あとライブアルバムがいくつか。
古い音源はサブスクにはないのかもしれません。
来日も2度しているようです。
晩年(90年代)のスタイルはロック、ポップス、ファンクなどをミックスさせたブルースで、SRVよりもモダンな印象。
コテコテのブルースが苦手な人でも聴きやすく、それでいてブルース色もしっかりと出ているので、コアなブルースファンも楽しめると思います。
初期の音源をまだ聴いていないのですが、たぶん元々はコテコテのブルースマンだったのでしょう。
晩年にロックやファンクなど、新しい音楽をしっかり吸収しているところを見ると、柔軟な人だったようです。
同世代のバディ・ガイもそうですしね。
晩年のサウンドは、他のブルースギタリストよりも歪みがやや強めで、ロック寄りです。
ブルースは好きだけどあのペケペケしたクリーン/クランチサウンドが苦手という人にはうってつけだと思います。
僕は逆に強めに歪ませてブルースを弾く人が苦手なのですが、ルーサー・アリスンは受け入れられました。
ロック的な力強さとブルースのニュアンスが感じられる、なんとも絶妙なトーンです。
タッチもしっかり黒人的で、クセが感じられるけどコテコテすぎないというちょうどいい印象。
ロックギタリストは絶対好きだと思います。
それにしても、こんなにいいギターを弾くのになんでここまで無名なんでしょう?
僕が知らなかっただけなんでしょうか?
アメリカでも名前を聞いたことなかったし、今までルーサー・アリスンのファンにも出会ったことはありません。
うーん、ざっと音源を聴いた上で想像すると、この人にしかないものがないからかもしれません。
ロックならもっと魅力的なギタリストが大勢いるし、どブルースはBBキングなど大御所と比較するとちょっと劣る、テクニックならSRVの方が上だし、ファンキーさはファンクアーティストに比べると足りないし、他ジャンルとのミックス具合もそこまでオリジナリティはない……
めちゃくちゃいいけど、残念ながら全てにおいて上位互換が存在するように思えます。
それでも続けていたらバディ・ガイのように唯一無二に昇華できたかもしれませんが、残念ながら57歳という若さで亡くなってしまいました。
そういった不運なところが逆に愛おしくなってしまい、個人的には推したいギタリストです。
おすすめはこちらのライブアルバム。
いつのライブかは知りませんが、めちゃくちゃ音がいいです。
エネルギーに満ちあふれていて、オーディエンスの熱気も感じられる良質なライブアルバムです。