どうも近年、ジャズミュージシャンによるジャズ批判動画が増えてきているようです。
いくつか観てみました。
さらっと観た結果まず思ったのは、
そういうの、全部やったし…
です。
そう、2015年に書いた記事「ジャズに人が集まらない理由」で僕はジャズ批判を徹底的に行いました。
(書籍は下記参照)
僕からしたら『何をいまさら?』という感じです。
動画で取り上げている内容も一緒なんですよね。
といっても「パクられた」とか「俺の方が先に言ってた」などと恥ずかしいことを言っているのではありません。
ジャズミュージシャンがジャズを批判しているわけですから、考えることは大体同じになって当たり前です。
もしかしたら僕の本を読んで上記動画を観た人は「うわ、一緒のこと言ってる」と驚くかもしれませんが、僕からしたらそらそうなるわなとしか思えません。
違うところといえば、2015年にはジャズミュージシャンがこうして真っ向からジャズを批判してもいいという空気はなかったというぐらいでしょうか。
だから僕はあのときジャズと刺し違えて引退する覚悟で書きました。
あれから数年経ち、ジャズミュージシャンがジャズをおおっぴらに批判してもいいという空気が醸成されたのでしょうか、上記の動画からはそこまでの悲壮感は感じられません。
もし僕の本やブログが、ジャズミュージシャンがジャズを批判してもいいよという空気の形成に一役買っていたとしたら嬉しいです。
ただ一つ言わせてもらうと、みんながやっていること、やり始めていることをやるのと、誰もやってないことをやるのって全然違うんですよね……
この辺はギターにおける身体操作の研究も同じです。
今はギタリストで身体操作研究家みたいな人がいっぱいいるみたいですが、僕が「ギタリスト身体論」を出した2009年には一人もいませんでしたし。
ジャズ批判然り、ギターの身体操作然り、それができるようになってから始めた人を見ると、『ふーん…』という感じです。
まあこれ以上は黙っておきましょう。
そんな中、「ジャズに人が集まらない理由」のレビュー動画がありました。
地場辰哉さんという、恐らくプロのサックスプレイヤーの方がUPしてくださっています。
本書の「衣装がダサい」に共感して自身の演奏時の衣装にも気を使うようにされているとか。
僕の本がプロの方に影響を与えていたとは……
きちんと出典を挙げてから自分の意見を述べているところに誠実さを感じます。
ネットは出典挙げない人だらけですからねえ…
そんな動画を観て、ジャズミュージシャンもようやく自分達やシーン、パフォーマンス、ジャズのあり方について客観視できるようになってきたのか…と感慨深い想いがします。
たった8年前にはありえなかったことですからね。
それだけに僕がジャズ批判で受けた攻撃はものすごかったですが、それもこうして後につながってくれたと思うと水に流せます。
改めて言うと、ジャズって本当にダメなところだらけなんで、まずはそれを知っているミュージシャンから、そこから他ジャンルのミュージシャン、ジャズ愛好家、さらにはジャズに興味がない一般人もちゃんとダメ出しできるようになれば膿はしっかり出せると思います。
僕はもうやりきったのでこれ以上ジャズ批判は(たぶん)しませんが、現役ジャズミュージシャンはもう言ってもいい空気になっているので、ここで一度しっかり自分なりのジャズ批判を展開しておいても損はないと思います。
あと、僕の本使うのはいいんですが、それなら地場さんのように出典をちゃんと出してください(他の動画の方が僕の本を読んだかどうかは知りませんが)。
もちろん何も要求するつもりはありません。
ただ、出典を出すのは最低限の儀礼です。
もちろん出典出さずに引用していても何も言いませんが、ただただ静かに軽蔑します。
ジャズについての書籍はこちらから。