ジャズはそもそも、リズムの音楽です。
ジャズプレイヤーはがつんとスゥィングする、観客はそれを身体で感じる、ジャズはそういうシンプルな音楽でした。
そして、そのリズムを土台として様々なハーモニー上の実験がなされてきました。
しかし、現代ではスゥィングがないがしろにされ、知識が先行しています(理由はいろいろありますが、長くなるのでパス)。
観客は、何も考えずリズムに身を委ねることが許されず、ハーモニーの上で行われているパズルをひたすら解釈することを強要されます。
こんなものが楽しいわけがありません。
しかし、この2015年に「がつんとスゥィング」なんて言えば、ジャズミュージシャンからは「時代遅れ」「バップのCDでも聴いてれば?」と揶揄されてしまいます。
はい、だから僕は、ジャズは半世紀前のバップのCDしか聴きません。
そっちの方が圧倒的に楽しいですからね。
スゥィングを感じられるしダイナミックだし、人間味があって温かいし、ハーモニーの解釈も強要されませんし。
ついでに言えば、家でCDを聴くだけなら、居心地の悪い店でむっつりしたマスターに気を使う必要もないし、めんどくさいジャズおやじに絡まれる心配もないですからw
ジャズに人が集まらない、新しいファンがつかない要因はスゥィングを無視(または後回し)しているからだと僕は思います。
がつんとスゥィングさえしていれば、予備知識やハーモニーを理解する耳がない初心者でもジャズは十分楽しめます。
というか、ジャズファンも、ジャズミュージシャンも、本当はただがつんとスゥィングしてるだけの演奏が好きなはずです。
しかしなぜか、ツウな人ほどスゥィングについてはあまり語らないんですよね。