8月13日、大阪の音楽イベントに出演したDJ SODAさんがライブ中観客の近くまで行ったところ、体を触られるという痴漢行為に遭ったことをSNSで告白し、波紋を呼んでいます。
これについて世間では非難の声が上がる一方、「露出してるから悪い」「自分から近寄っていったのに…」とDJ SODAさんを批判する声もあるとか。
個人的には痴漢は犯罪であるということと、どんな格好をしようが個人の自由だと考えています。
例えば男性が一生懸命仕事していい車を買い、それが盗まれたとして「そんな車乗ってるからだ」「盗まれて当たり前」と言われたらどうでしょうか?
露出してたら痴漢されて当たり前という人は、いい車乗って盗まれても当たり前と泣き寝入りできるんでしょうね……。
とまあ露出や痴漢については世間に任せて、今回は別視点でこの問題を考えてみたいと思います。
まずDJ SODAさんを触った人たちについて。
彼ら(女性もいたとか)は痴漢常習者でしょうか?
あるいは犯罪傾向のある人達でしょうか?
また、彼らはDJ SODAさんを触るためにイベントに来て、最前列で痴漢するタイミングを待っていたのでしょうか?
たぶん違うでしょう。
普段は社会のルールを守って生活し、ライブのときは目一杯はじけて楽しみたいという音楽好き、イベント好きな人たちなんだと思います。
それがいろんな要素が重なって結果的に痴漢という行為をしてしまったと考えられます。
ではなぜそうなったのか?
次にライブについて考えてみましょう。
ライブとは、非日常の演出です。
日常を忘れ、狂ったように騒ぎ、踊り、熱狂することがライブの醍醐味でしょう。
そして、観客をそこに持っていけるかどうかがアーティストの腕の見せ所です。
アーティストは観客を狂わせるために、スタッフと共にあれこれ知恵を絞ってライブに挑みます。
さて、件のDJ SODAさんのライブは、動画などで観たところ多いに盛り上がっていたようです。
客さん、特に最前列の人たちは日常を忘れて熱狂し、コロナ渦のうっぷんもあって、さぞかし理性が飛んでいたことでしょう。
つまり、ライブ自体は成功していたということです。
さて、そんな中、DJ SODAさんはパフォーマンスとして観客の近くに行き、ハイタッチなどをし、あるところで柵に足をかけて観客に最接近したところ、手が伸びてきて体を触られたようです。
既に述べたとおり、これは痴漢行為であり犯罪です。
これに対して運営側は法的措置も検討しているとか。
その辺はご本人の意思と運営の方針に基づき、法の下粛々と行っていただければいいと思います。
さてここからが本題です。
痴漢がダメなことは大前提として、じゃあ最前列の観客にもしっかりと理性が残っているライブってどうなんでしょう?
頑張って最前列まで来てライブを楽しんでいる観客の目の前にお目当てのアーティストが現れて、『目の前にDJ SODAが来てくれた、手を伸ばせば触れられる……でも女性の体を触るのは痴漢行為にあたり犯罪になる、なにより相手に失礼だ、だから触らないでおこう!』と思えるとしたら、たぶんあんまり熱狂してないですよね?
ライブ中目の前にお目当てのアーティストが来てくれて、ワケが分からなくなって手を伸ばしてしまったのは、そもそも彼女の音楽に熱狂していたからです。
これって、ライブとしては成功ですよね?(だからDJ SODAが悪いという意味ではありません!)
最前列の観客ですら冷静で理性的なライブってたぶんライブとしては失敗なんじゃないでしょうか?(ジャンルにもよるけど)。
で、何が言いたいのかというと、多分普段は普通の人である観客の理性をふっとばせるほど盛り上げたDJ SODAさんはきっとすごいアーティストなんだろうなという、まあそれだけです。
だからといって痴漢や犯罪行為が横行するライブがいいってわけではないですよ。
ただ、観客全員が最後まで理性的で冷静な思考を保ったままのライブってどうなんだろうとも思います。
そうあるべきだけどそうあるべきじゃない、違法行為や秩序を乱す行為はあってはならないけど、最後まで客が冷静沈着なライブもどうなの……?というモヤモヤが生まれたのでアウトプットしてみました。