ジャズギターは、ジャズ演奏のあらゆる局面で中途半端になりがちです。
必ずそうなるとはいいませんが、そうなりがちであることは否めません。
ソロの花形はやはり管楽器ですし、ハーモニーはピアノに比べてどうしても劣ってしまいます。
リズムギターに徹したとしても、相当しっかりとグルーヴ感を出さなければベースやドラムのお荷物となってしまいますし、前回ご説明したとおり、ジャズギタリストはロックや他ジャンルから流れてきた人がほとんどです。
だから元々のジャンルのリズム感、グルーヴ感がなかなか抜けないというハンデ(?)もあります。
このように、ソロ、ハーモニー、リズム、どれをとってもギターでは絶対に勝てない人たちが必ず存在する、それがジャズです(この辺は反論もあるかもしれませんが)。
こうした認識は、ジャズが大流行していた時代からあったようです。
例えば、ジャズ全盛期の1940年代から50年代までで、ギタリスト以外がリーダーのジャズの名盤に参加している楽器を調べてみると、伴奏にギターが入っている確率はかなり低いはずです。
何故かというと、概ね上記の理由からでしょう。
一方で、ソニー・ロリンズのように、ピアノはハーモニーにおいてあまりにも支配的でやりにくいから伴奏はギターを選ぶという人もいるにはいますが。
このように、ジャズギターは、その性質上ジャズの世界においてどうしても中途半端にならざるをえないのです。
このへんが、ジャズギターがいまいちパっとしない原因かと思われます。
もしかしたら、ロックギターとはそのカウンターであるのかもしれません。
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