昨年末、TIKTOKを観ていたらとある楽曲が流れてきて、久々に「おぉ!」と反応してしまいました。
それがこちら。
井上昌子さんの「魚座たちの渚」という曲です。
美しいメロディ、ノスタルジー感のある曲調、そして瑞々しい歌声……。
とっさに「もっと聴きたい!」と思い、ネットで検索してポチりました。
中古ならかなり安く買えます。
90年発売で、全曲通して70年代風のポップファンク的な楽曲が多め。
雰囲気でいうとジョージ・ベンソン「Breezin'」みたいな爽やかさにファンクの味付けがなされたような感じ。
あくまで雰囲気です。
収録曲「YELL! 16番目の夏」は1989年の甲子園の公式ソングになっていたそうで、当時の高校球児なら覚えているはず(70年前後生まれの方)。
で、井上昌子とは誰なのか?
1969年生まれ、1989年にシングル「メリー・ローランの島」でデビューし、当時「ガールポップ」というジャンルがありその先駆者的な存在だとか。
デビュー直後からヒットを飛ばすものの、その後は低迷、音楽活動は地道に継続し今も現役歌手だそうです。
「Fellow & Steady」がとてもよかったので(あと安かったので)、デビューアルバムの「彼女の島」と、
94年発売の4枚目「Fairway」
もポチってみましたが、なぜかイマイチでした。
ファーストは若すぎて聴き辛く、4thはアイドル路線の歌手にありがちな、需要に反して本格シンガーを目指したら魅力が消えてしまったタイプ。
ロック寄りになったのも個人的には違和感しかありませんでした。
その後の作品もなんかいまいちピンときません。
「Fellow & Steady」と「Fairway」の間にミニアルバムをたくさん出しているようなので、その辺でもしかしたら気に入る作品がまだあるかもしれません。
ということで個人的に井上昌子さんは「Fellow & Steady」がおすすめです。
CDで聴くとなんかバランスがちょっと変だったりするのでサウンド的にはそうでもありませんが、とにかくこのときの井上昌子さんの声がもう魅力的すぎてたまりません。
アイドル的だけどぶりっこしすぎず、瑞々しい若さが凝縮されていて、しかもオケからスコーンと気持ちよく抜けてくる感じが最高です。
現在でもその片鱗はあるんですが、こういっちゃ失礼ながら、やはり若い頃の声には敵わないようですね。
歌というのは残酷です。
だからこそ「Fellow & Steady」が全盛期の記録として価値が出てくるのでしょう。