ギブソン社はフェンダーと並ぶ二大ギターブランドですが、歴史はフェンダーよりも古いです。
もともとはバンジョーやアコースティックギターを製造していましたが、1930年代からエレクトリック・ギターの開発に乗り出します。
その後しばらくはフルアコを製造していましたが、1952年にレスポールを発表。
その後ロックギターを代表するギターブランドに成長します。
【公式サイト】
意外と知らない人もいるようですが、ギブソンを代表するギターであるレスポールは、レス・ポールという人物のために開発したものです(写真参照)。
また、初期レスポールはジャズを演奏するために開発されたギターだったのですが、なぜかロックにマッチし、ロックの代名詞のようなギターとなりました。
ギブソン社は1969年に買収され、工場閉鎖、移転などを行っています。
同時期にフェンダーも売却されていて、60年代後期にギター業界に大きな変革があったことがうかがえます。
2010年代には複数の音楽関連会社を買収、しかしそれが裏目に出て業績を圧迫、2018年に破産。
以後は経営の立て直しを行っています。
事業拡大の背景にはギターの販売数の劇的な低下があるようです。
ギブソンはフロンティアスピリッツを持った会社です。
エレキギターの開発にいち早く乗り出し、1950年代にはもうフライングVやエクスプローラーといった変態的なギターを販売しています。
フライングV
エクスプローラー
個人的にツボなのは2015年に発表した自動ギターチューニング機構「Gibson G-Force」です。
これがギタリストに全くウケず、大コケして2016年にはもう廃止したとのこと。
7年前のことなのにギタリストですら誰も覚えていないという、ギブソン最大最高の黒歴史です。
てか、そもそもギタリストならチューニングぐらい自分で出来るわww
と、ギャグのようなことを大真面目にやってスベリ散らかしながらも前に進むギブソンのフロンティアスピリッツには頭が下がります(皮肉ではなく、真面目な話)。
まあいじるのはほどほどにして、ギブソンのギターは間違いなく名作の宝庫です。
ざっと名前を挙げると、
レスポール
ES-175
ES-335
SG
Firebird
どれを取っても素晴らしいギターです。
フェンダーがアンプやキーボードなど複数の楽器・機材を開発製造しているのに対し、ギブソンは頑なにギターにこだわり続けたメーカーだと言えます(アンプは過去に製造していましたが)。
これは僕の私見ですが、ギブソンギターの神髄はホロウボディにあると思います。
ホロウボディについては第15回で説明しました。
もともとアコギやホロウボディを製造していた会社なので、それらのギターでは他の追従を許さないものがあると感じます。
僕もレスポールやSGには特に興味ありませんが、335やその他フルアコはいつか欲しいと願っています。
面白いのは、アメリカ人のギタリストってギブソン嫌いな人が多いんですよね。
アメリカを代表するようなジャズギタリストがギブソンのフルアコセミアコを使わずにこぞって日本製のアイバニーズを使っていたり、ロックギタリストもESPやアイバニーズ、その他ハイエンドギターを使う傾向があります。
一方で日本人はギブソン信者が多く、ギブソンに夢と憧れを持っている人がたくさんいます(僕もそうです)。
アメリカ人が日本車や日本のバイクに乗りたがり、日本人がアメ車やハーレーに憧れる構図と似ていて面白いです。
など