八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

ギターのコードチェンジが苦手な方は次のコードをイメージするタイミングを考えてみよう


八幡謙介ギター教室in横浜

コードチェンジが苦手という方は多いと思います。

ここで言う「コードチェンジ」とはコード進行のことではなく、コードからコードに移ることです。

ひとつひとつのコードはちゃんと押さえられるけど、複数のコードをテンポに合わせて押さえていくことができないという問題に対し、今回はフィジカルではなく、イメージでコードチェンジをスムーズにする方法をご紹介します。

 

仮にコードが| C | D- | G |と動いていくとしましょう。

テンポは速くもなく遅くもなく。

ストロークのパターンは複雑すぎなければ何でもいいです。

このCからD-にパッと移動できなくて遅れてしまったり、あるいは遅れるのを見越してCの4拍目で左手を離してD-に移るという人もいると思います。

前者だとタイムがガタガタになるし、後者はハーモニーが一瞬消えてしまいます。

いずれにせよ、CからD-に移動するのが遅いというのが問題です。

ではどうやったら速く移動できるのか?

 

ここではC→D-とコードが変化するにあたって、プレイヤーの脳内で起きていることを探ってみたいと思います。

結論から言うと、コードチェンジが遅れる人は図①のように、Cを弾いている間『まだC、まだC…』と思っていて、D-に移る直前に『次はD-だ!』とイメージします。

だから焦ってしまうんです。

図①

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一見これは当たり前のようですが、音楽的には遅いです。

D-に変化する直前で『次はD-だ!』と考えてコードを変化させようとしても手がついてきません。

ではどうすればいいかというと、図②のように、Cを弾き始めた時点で『次はD-』と認識し、準備しておくのです。

 

図②

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するとD-まで4拍あり、頭の中で十分にイメージした状態で次に移れるので、気持ちに余裕が生まれます。

さらに言うと、これはイメージなので図③のようにその次のコード、その先のコードも最初の時点で頭の中でイメージしておくことが可能です。

図③

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理論上は最初の一拍目の時点で最後のコードまでイメージすることは可能です。

 

楽器が弾ける人の頭の中はだいたいこんな感じです。

常に「今」考えて「今」弾くことを弾いているのではなく、頭の中では次、次、と認識できていて「今」弾くことを弾いている感じです。

逆に楽器がなかなか上達しない人は、「今」弾くことしか考えていない(考えられない)ことが多いのではないかと思います。

しかも、これは完全に頭の中の出来事なので、人から見てもなかなか判りません。

だからプロの講師が見ても『なんでこの人弾けないんだろう……』と不思議に思ってしまい、お手上げになるというケースもあります。

個人的には上記のようにイメージするタイミングの問題じゃないかというところまで突き止めています。

 

コードチェンジが苦手な人は、図②③のイメージが持てないというのは事実です。

図①のイメージは、どちらかというと音楽を聞くというスタンスに近いものです。

音楽を演奏するのなら図②③のように、今はここを弾いているけど頭の中ではどんどん先に進んでいて、実際の演奏がイメージより遅れてついてくるといった構造になっていく必要があります。

弾ける人はこれを無意識にやっているということです。

ではそれができない人は楽器が弾けないかというと、そこは訓練していけばなんとかなると思います。