以前からこのブログで、エレキギターはどんどん普通の楽器になっていくということを書いてきました。
「普通の楽器」とは、
- ヒーローになるために弾くものじゃない
- 基本はアンサンブルの中で求められることをこなす
- 習得の難しさが周知されている
- 怪我のリスクとその予防策が周知されている
- 奏法、練習法が科学的に研究されている
- 楽器、機材が完成している
- 熱が冷めている
だいたいこんな感じです。
ここに到達するのにあと20年ぐらいといったところでしょう。
今が2022年なので、まあだいたい2040年ぐらいにはエレキギターは上記のような存在になっていると思います。
それってどういうことかというと、単純に楽器として今(2022年)の何倍も難しくなっているということです。
例えば、アンサンブルの中で自分が弾くべきハーモニーを自分で探し、他の楽器とぶつからないようにヴォイシングし、なおかつ個性的で楽曲に刺激を与えるバッキングをするというのは、コード楽器ならできて当たり前のことです。
2022年現在、これが普通にできるギタリストは何割ぐらいいるでしょうか?
全体の1割~多くても3割ぐらいじゃないでしょうか。
ただ、まだ2022年では「ギタリストはそういったことができない人が多い」という認識があるので、なんとか大目に見てもらえることが多いと思います。
それがあと20年もすればできて当たり前になっているでしょう。
ということは、それができない人はギターを弾いてはいけない、ギタリストとして認めないという世の中になっているということです。
音楽的には普通ですが、世の中的には厳しい世界となるでしょう。
もちろん、そうしたレベルアップはハーモニーだけではなく、エレキギターにおけるあらゆる側面で起こるはずです。
そうなるともうなんちゃってで弾くこともできないし、なんちゃっての延長で教えることもできません。
エレキギターを正しく弾ける人でないと音楽に参加させてもらえないという日は近い将来必ず来ます。
そうした時代にギタリストとして生き延びていきたければ、普通のことが普通にできている必要があります。
これからギタリストを目指す人、既に弾いていてこれからも長く弾いていきたい人はそういったことを視野に入れながらギターを学んでいくといいと思います。
もちろん僕の教室ではこの考え方を基本にギターを教えています。
ギターヒーロー的な楽曲なプレイも教えますが、そっちに偏らないように気を付けています。