Cambridge Audioのプリメインアンプを買ってからまたあれこれ音楽を聴き比べています。
そんな中、久々に声優の楽曲を聴いてみると歌の抜けがいいことに気が付きました。
オケはひどいものが多いですが、歌に関してはそこらへんのJ-POP歌手より一段も二段も抜けているように聞こえます。
上手い下手ではなく、声がオケから良く抜けているので、クリアに聞こえてきます。
なんでかなーと考えてみると、当たり前のことに気づきました。
声優さんはマイクを扱うプロだからです。
もちろん歌手の方もマイクを扱うプロではありますが、熟練度は声優さんの方が圧倒的に上でしょう。
普段からアフレコでNeumann u87などのシビアなマイクを使い、ノイズが乗らないよう、クリップしないよう気をつけながらいろんな声を当てている人達ですから、マイクの扱い(距離、声量、角度など)が上手になって当たり前です。
一方、歌手の方はそこまで毎日毎日マイクに向かって発声するわけではないし、どちらかというと自分の体を楽器として研究してはいるけど、マイクの扱い方を研究している人はあまり見たことがありません。
どのマイクに、どれくらいの声量で、どんな声質で、どういう角度で発声したらイメージした声(求められている声)で録音できるのかを日々研究しているヴォーカリストはまれでしょう。
もしこれが普通だったらごめんなさい。
歌手は基本的には体が楽器なので発声や姿勢、筋肉などを訓練・研究する人は多いと思いますが、現代において生声だけで歌う機会というのはほとんどありません(オペラとかは別ですが)。
それなのに、マイクについて基本的なことしか知らない、あるいはほとんど何も知らない、マイクを扱うスキルが足りないといった状態だと、せっかく生の声や歌がよくてもその価値を損なった状態でリスナーに届いてしまう可能性があります。
なので、歌を歌う人はヴォイトレ以外にも、マイクという機材・楽器をきちんと知り、それを使いこなす訓練を行うべきだと僕は思います。
書いていてふと思ったんですが、もしかしたらヴォーカリストの人は、マイクを自分の声を拾うための集音器ぐらいにしか思っていないのかもしれません。
そう考えると、自分の声ありきでマイクは目の前に置いてあるだけ、だからマイクについて何も知らなくても問題ないと認識してしまいそうです。
そこで、マイクを楽器と捉えてみましょう。
当然、楽器にはそれぞれ個性や特性があるので、それらを十分引き出すために自分が工夫しないといけなくなります。
また、自分と楽器のマッチングもあるので、自分の個性に合った楽器選びも重要となります。
そういった観点からマイクという楽器・機材を捉えると、トータルで歌がいいものになっていく(マイク乗りがよくなり、音源の中で抜けるetc)のではないかと思います。
外野が想像で言っているだけですが、ヴォーカリストの方は一度考えてみてください。