僕は今までいろんな場所でいろんな人に音楽を習ってきたし、横浜ギター教室では自分でも練習法を研究・開発してきました。
そうして30年近く経って、改めて音楽の理解や上達に役立つことは何か?と考えたところ、ひとつしかありませんでした。
それは、
いい音で音楽を聴く
これだけです。
もちろん、楽器の練習やいろんな経験、知識なども必要ですが、今考えると「絶対」というようなものは特にありませんでした。
ひとつだけあるとすれば、いい音で音楽を聴くことです。
これは絶対です。
理想としてはいろんな音楽をいい音で聴くことですが、仮に狭い範囲で好きな音楽だけでも、やはりいい音で聴いているだけで音楽そのものをもっと深く理解できるようになるし、楽器も間違いなく上達すると思います。
改めて考えるに、音楽はいい音で聴かないと本当に何もわかりません。
もちろん表面的なことはスマホでも分かりますが、ほんの少しでも奥を覗きたいなら、音をグレードアップしないと見えてこないものが沢山あります。
じゃあその「いい音」って何だというと、これは誰にも答えられないのですが、音があるレベルを越えると、音楽から人間が見えてくるようになります。
シンガーの意識、プレイヤーの情熱、エンジニアの意図、バンドの結束感などなど。
そうなると一つの楽曲、一つのアルバムを何十回何百回聴いても楽しめるし、新たな発見が得られます。
狭い範囲の音楽でもいいというのは、そういう意味です。
そこから得た刺激を元に、練習したり新しいアプローチを考えたり、自分の音楽的認識を根本から変えたりすることができます。
いい音で聴くということさえしていれば、歴30年になってもそういうことが可能です。
しかし、そうした刺激を音楽から受けられなくなったら?
「こんなもん」と分かった気分になってそのレベルで停滞してしまうし、もっと言えば停滞していることすら気づかないでしょう。
僕がオーディオに凝るのは、この辺が分かってきたからです。
もうこのご時世、一般のリスナーにスマホで音楽聴くなとは言えません。
ただ、ミュージシャン目指している人はまじで今すぐやめた方がいいです。
スマホで聴いているのは音楽ではありません。
音楽からいろんなものが抜け落ちたカスみたいなものです。
楽器やDTM機材にお金をかけて、音楽はスマホで聴いている人は、次の機材を買うお金で真っ先にリスニング環境をグレードアップしてください。
それで活動が数ヶ月停滞しても構いません。
いい音で音楽が聴けるようになっただけで、一生ものの何かが得られますから。
聴くのはスマホだけどミックスはモニタースピーカーでやってるからOKじゃね?という人は、まあちょっとはましですが、やはり音楽を楽しむためのスピーカーからいい音で音楽を聴くのとは少し違います。
疑うなら、まともなオーディオを持っている人のところにいって、自分の好きな音源を聴かせてもらってください。
一回そうしたら分かります。
なんなら横浜の教室に来てもらえれば僕のオーディオで聴かせます。
とにかく、音楽をやるのにいい音を知らないというのは致命的なことです。
そこをできるだけ早く知ってもらいたいです。