音楽用語でヴォイシングというものがあります。
ギタリストは意外と知らない人もいたり、名前はしってるけど具体的に何のことなのかわからないという人もいるでしょう。
ヴォイシングの特徴を簡単に説明すると、以下3点になります。
1、音の並びを変える
2、音を足す
3、音を省略する
例えばCというコードがあります。
構成音はドミソです。
これを下からドミソと押さえるのか、ミソドと押さえるのか、ソドミと押さえるのか。
あるいはドソと押さえてミだけ1オクターブ上げる……。
そうやって音の順番を変え、響きを変化させて最適な並びを模索します。
ジャズの人はアドリブでこれができます(できないといけない)。
ギタリストの多くはCならひとつのCしか知らないことが多いので、『ちょっとそのコード歌いにくいから変えてくんない?』とか『ピアノとぶつかるからヴォイシング小さくしてよ』などと言われるとパニクります。
そうならないためにヴォイシングの知識が必要なのです。
例えば、オクターブ上にルートを足すとか、3度を重ねるとか、あるいはテンションを足すこと。
僕は足し算のヴォイシングと言います。
ヴォイシングがちょっと分かってくるといろんなものを足したがりますが、実際そういったゴテゴテしたコードを使うと他の楽器やヴォーカルにウザがられます。
ルートはベースが弾いてくれるから弾かなくてもいいとして、コードからルートを省略したり、5度もコードのキャラクターと無関係なことが多いから弾かない、と、音をどんどん削っていくヴォイシング。
僕は引き算のヴォイシングと呼んでいます。
ギタリストはこの引き算のヴォイシングができないといけない、というのが僕の持論です。
ベースとピアノがいたらもうギターなんて2音か3音掴めば十分です。
極端な話、1音でも構いません。
ではコードのどの音をどんな並びで使うか?
そこにそれぞれの素養とセンスが出ます。
引き算のヴォイシングができれば仕事は増えます。
僕もジャズをやってたとき、引き算のヴォイシングで歌手やピアニストに好かれて、その後仕事に呼んでもらったことがありました。
こういったことが学びたい、でもどうしたらいいか分からないという人は、拙著「ギタリストのためのハーモニー」(下記リンク参照)をご一読ください。
また、可能であれば横浜のギター教室までお越し下さい。