前回の続きで、今度は休符を細かくしてみましょう。
初心者がアドリブで休符を積極的に使う際、ほとんどの場合4分休符か8分休符になると思います。
最初はそれでもいいですが、慣れてきたら16分休符を積極的に入れてみましょう。
例えばこういう休符を入れたフレーズがあったとします。
(コードはF7でFマイナーペンタフレーズ)。
この最初の4分休符に16分休符をひとつ足してみます。
これだけで全然雰囲気が変わってくるはずです。
また、最初の4分音符から16分音符をひとつ削ることも可能です(最初の4分休符を付点8分休符にする)。
これも単純な4分休符から変化がつきます。
このように、いつも使っている休符をほんのちょっと変えるだけで、フレーズそのものが変化してくれます。
4分休符、8分休符で満足せず、16分休符を積極的に足していきましょう。
今までアドリブを教えてきて、初心者から中級者に必ず見られるのが休符恐怖症です。
何も弾かない瞬間にある種の恐怖を感じ、ついフレーズで埋めてしまい、気が付いたら弾きっぱなしになってしまっている……。
ある程度休符のデザインに慣れてきても、2拍以上休むのは怖いと感じる人も多いでしょう。
それを克服すればもっとダイナミックに会話するアドリブを行うことができます。
実際の楽曲だと、ケニー・バレルの「Chitlins Con Carne」のソロが有名です。
0:58~のソロを聴いてください。
フレーズごとにだいたい1小節と1拍休符を入れています。
この曲ではケニー自身が自分で合いの手を入れていますが、ピアノがいればピアノがこの休符のところで必ず何かしてき、会話が始まります。
この間だけを拝借し、フレーズを自分のアドリブにして弾いてみるのもいいでしょう。
また、慣れてきたらもっと大きく休符をとってみましょう。
とはいえ、休符が大きくなってくると恐怖感も増してきます。
だからつい休符が小さく小さくなっていき、気が付いたら弾きすぎになってしまいます。
恐らくその原因は、休符の間に入る合いの手を想像していないからです。
練習ではマイナスワンや、あるいはメトロノームのみで弾くことが多いと思います。
そうなると自分の弾いた音符・休符にダイレクトに反応が返ってきません。
だからつい休符は休符としてのみ認識してしまいます。
そうではなく、休符のところに来る合いの手を想像しましょう。
これは『こんな合いの手が来てほしい』という願望でも構いません。
そちらの方が実践的になっていきます。
では、やってみましょう。