前回はフレーズの崩し方をすこしお話しました。
今回はもう少しジャズらしい崩し方について解説したいと思います。
前回でも少しだけご紹介しましたが、フレーズの崩しに3連を使うとジャズらしさが少しアップします。
3連とは、1拍の中に3つの音が入ることです。
ここで分からない方は模範演奏を聴いてもらえれば理解できると思うので気にせず先に進んでください。
「3連を使うとジャズっぽくなるよ」というのは教則本やYoutube動画などで説明されていると思います。
ただ、3連にすると音が増えるしスピードも上がるので、弾くのが難しいと感じる方も多いと思います。
このシリーズは初心者がジャズを弾けるようになることが目的なので、初心者がギターで3連フレーズをどう弾くかという点にも対応して進めていきます。
まずは母体となるフレーズをおさらいしましょう。
リズムは同じですが、今回は1音(F)のみを使います。
これを崩していきます。
まずは上記のフレーズを3連にしてみましょう。
これだけでも全然使えますが、もう少し変化が欲しいので音を変えていきます。
使う音はやはり第1回と同じこちらに限定しましょう。
音を変化させていくとき、気を付けたいのが弦移動です。
弦移動を含んだ3連はややピッキングが忙しく、初心者では詰まったり空振りしやすいので、3連フレーズは同じ弦で弾くようにします。
この場合3弦しか使っていないので弦移動の労力が要りません。
ですので初心者でも3連フレーズがかなり弾きやすくなるはずです。
また、こういった使い方もできます。
この場合は2弦のみのフレーズです。
もちろん弦移動しても3連を難なく弾けるという方は気にしなくて結構です。
また、同じ弦を使うメリットはピッキングしやすいというだけではありません。
同じ弦で3連を弾くことでスライドやハンマリング・プリングを使うことができます。
そうすることにより表現が少し豊かになるので、3連を同じ弦で弾くことには大きなメリットがあります。
ではいつどの音をスライドするか、どのタイミングでハンマリング・プリングすればいいのか?
そこはアドリブなので自由です。
自分なりのタイミングで音を装飾してみて、録音して聴き返し、自分なりのフレージングを掴んでいきましょう。
母体となるフレーズそのものを3連にするのではなく、フレーズの前に3連を足します。
今度はさっきと逆に、母体となるフレーズの後に3連を足してみましょう。
少し音使いは変えています。
では実際にこれらを使ってみましょう。
これまで通り、できるだけ一拍目から始まらないように気を付けながら、3連を含んだフレーズを弾いていきます。
ポイントとしては、フレーズを小節の頭から真面目に弾かないということ。
冒頭のように小節からはみ出して弾いたり、1拍遅らせて入ったり、フレーズをずらして使うことを心がけるとジャズらしくなっていきます。
あとは3連にこだわりすぎないことです。
「3連を使うぞ、使うぞ!」と意気込んでしまうと3連だらけになってしまいます。
3連を効果的に使いたいときほどスパイスのように軽く全体に3連をまぶすぐらいがちょうどいいでしょう。
これは他のフレーズやアプローチにも言えますが。
ではやってみましょう。