最近ブルースをあれこれ聞いていますが、ふとバディ・ガイを全然聴いてなかったことに気づき、Apple Musicで探してみました。
バディ・ガイ
すると2022年に最新アルバムを出していたので聴いてみました。
これがめっちゃよかったです。
一曲目の「I Let My Guitar Do The Talking」からやられました。
公式動画はこちら。
バディ・ガイといえばもうブルース界の長老で、老体むち打ちながらくたびれた(良い意味)ブルースをやってるイメージでしたが、めっちゃ元気やんww
普通こんな曲調だともうロックにしか聞こえないはずなんですが、なぜかバディ・ガイがやるとブルースに聞こえるから不思議です。
収録曲は16曲と盛りだくさんで、ざっくり分けるとクラシックロック、ファンク、ポップ、そしてオーソドックスなブルース。
ゲストヴォーカルも入っていたりし、どれ聴いても一緒という感じではないので、ブルースが苦手な人でも楽しめると思います。
最後にアコギと歌だけのトラディショナルスタイルでやっていて、なんか安心しました。
個人的に驚いたのはサウンド。
まあ2022年の作品なので音がいいのは当たり前なんですが、『こんないい音でもブルースになるんだ…』という変な驚きがありました。
ブルースってどこかアナログ的な音じゃないといけない気がしてたんですが、そうでもないという証明ですね。
各楽器の分離感もよく、クリアで、コンプ感も一時ほどではなくやや落ち着いていて楽器の質感もしっかり確認できます。
たまにあるブルース音源特有のわざとらしいルーム感とかはなく、しっかりと計算されてミックスされていますが、それがいささかもブルース感を減退させていないのが凄いです。
デジタル全盛の現代におけるブルースサウンドの教科書といってもいいかもしれません。
ギターをよく聞いているとふっとノイズが立ちのぼってき、すぐ消えるところもなんか面白いです。
あのノイズは消せるはずですがあえて消していないんでしょうね。
余談ですが、少し前にやっぱストラトじゃブルース弾けねえな……と書いたんですが、
このアルバムを聴くと『あれ、ストラトでもブルース弾けるのかも……』とまた思えてきてさらにブルースが分からなくなってきました。
まったく不思議な音楽ですねえ…
まあでもハムバッカーでやる方がたぶんやりやすいとは思いますが。
そこはまた色々試してみたいと思います。
とにかくこのアルバムはブルース好きも、ブルースになんとなく興味ある人も、ブルースなんて全然分からないという人にもおすすめです。
今後「ブルースって何から聴いたらいいですか?」と訊かれたら僕は迷わずこれをすすめることにします。
それにしても、バディ・ガイ今年87歳ですよ……
86歳でしかもコロナ渦でこんなエネルギッシュな音楽を創れるなんて恐れ入ります。