横浜のギター教室やこのブログで何度も言っていますが、歌には中身があります。
楽器の演奏にもありますが、歌の方が伝わりやすいです。
同じ歌を一流のプロが歌っても、一方は評価されてもう一方はすぐ忘れられたり、同じ曲でもある人のカヴァーは感動するけど別の人のはしらけたり……
声量やピッチやタイムだけで良し悪しが決まらないのが歌の面白いところです。
ではそんな歌の中身をどうやって理解すればいいのか?
例えばLiSAの「紅蓮華」をYOUTUBE上で次のカテゴリーで探します。
オリジナル
プロのカヴァー
アマチュアの歌ってみた
この3種類が出てくれば歌はなんでもいいです。
そしてそれらの違いを徹底的に聴き比べます。
ただし、声量とかピッチとかそういう表面的なことではなく、中身がどう違うのかを聴くようにします。
僕がざっくり捉えているプロとアマチュアの違いをご説明しましょう。
プロはどんなにつたなくても歌(歌詞)のそれぞれのセクションごとに意識を変えて歌っています。
歌詞を読み込んで、世界観を理解して歌うと自然とそうなります。
一方アマチュア(歌ってみた)は、最初から最後まで同じ意識で歌っています。
だからなんか途中で厭きてきます。
例えば、
Aメロ:悩み
Bメロ:決意
サビ:希望
みたいな構成になっているのに、全部サビの気持ちに合わせて歌っているのでAメロやBメロの感情が伝わってこなかったり、ちぐはぐで何の歌か分からなくなることがあります。
プロでそういう人はさすがにいません。
どんなに下手なアイドルでも歌詞の感情はちゃんとすくえていたりします(そういうディレクションを受けているんでしょう)。
プロのカヴァーの場合、各セクションの感情のすくい方がオリジナルとは微妙に違っていて、その違いに着目すると面白いです。
ついでに役者さんの歌について。
役者さんは言葉から感情をくみ取るプロなので、歌に感情が入りやすいという特徴があります。
だから心に沁みる歌を歌える人が多いのでしょう。
一方、それが強すぎて歌が演技になっている人もいます。
そういう歌はそれはそれでなんかしんどいです。
歌の主人公になりゃいいってもんでもないのが歌の面白いところです。
最近の歌ってみたは相当レベルが上がっているみたいで、たまに聴くと「おっ!」と思うことも多くなりました。
声も出てるしピッチも正確、タイムもいい、おまけに容姿もよくて動画の編集もちゃんとしてる……。
しかし、やっぱり聴いているとすぐに興味がなくなってくるものがほとんどです。
なぜかというと、ほぼ100%の人がどんなに歌詞に起伏があってもずっと同じ調子で歌っているからです。
その原因は歌詞を読み込んでいない、読み込めていないからです。
今歌っているセクションがどういうシーンで、どういう感情が動いているかを理解せず、極端に言えば日本語を覚えただけで歌っている状態。
だから上手いけどなんかね……という反応になってしまいます。
じゃあどうやって歌詞を読み込むのか、どこまで理解すれば読めたことになるのか、それをどう歌に生かすのか……その辺は実際にレッスンで教えているので興味ある人はお越しください。
歌詞の解釈についてはこちらをどうぞ。