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何かを目指している人は、今で全てを判断しないようにしよう


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何かを練習している人は、間違いなく全員今それができるようになりたいと思っているはずです。

曲を練習している人は、今その曲が弾けるようになりたい、小説を書いている人は今文章力を上げたい、などなど。

しかし、俯瞰で見ると今できることに意味がない場合が多々あります。

 

中にはなんでも今というタイミングで出来る人がいます。

いわゆる、器用な人です。

ギターを持てばめきめきと上達し、やりたいと思ったことをジャストなタイミングでできるので、どんどん活動の幅を広げていきます。

一見羨ましいと思いますが、こういう人はどこかで頭打ちになることが多いです。

個人的にはだいたい10年が限界だと思っています。

今必要な技術や知識を今獲得できたので、回り道をしてこなかったツケが出てくるのがだいたい10年目ぐらいからでしょう。

また、何かを10年もやっていれば、その道の深み(高み)が見えてきます。

それがチラっとでも見えた瞬間、自分が付け焼き刃でしかないことが実感できます。

そこから自分を0にして学び直せる胆力があれば先にいけるでしょうが、9割以上の人は無理でしょう。

かくして今できる器用な人は10年程度で頭打ちとなってしまいます。

20代後半で頭打ちになり、そこから先ずっと同じレベルで同じことしかできないと考えると、ぞっとしませんか?

 

一方、今あれがやりたい、これがやりたい、でも技術や知識が追いつかないのでできないという人。

自分ではどうしようもないので習いに行くなどして勉強期間を設けます。

先述の今できる人がどんどん活動を広げているのを羨み、時には嫉みながらもコツコツと学び、回り道をしながらも実力をつけていって数年後ようやく動けるようになりました。

こういうタイプがたった10年で頭打ちになるということはまずありません。

もちろん、学ぶのが苦しくて途中で辞めた人は別ですが、継続できていれば遅れても必ず実力はつくはずです。

もしかしたら10年目で器用な人の半分ぐらいの実力しかついていないかもしれません。

しかし、焦る必要はありません。

あと5年もやれば追いつき、20年目ぐらいにはもう追い抜いているでしょう。

そのとき、器用な人はまだ10年目の場所にいます。

 

 

「アリとキリギリス」然り、「うさぎと亀」然り、こんな話は古今東西いくらでもあります。

しかし、ほとんどの人はこれを実践できません。

なぜかというと、人は自分が当事者となった瞬間、今しか見えなくなるからです。

今を生きている自分が、一度視野を広げて10年先を想像し、そこからまた視野を戻して10年先から見た今を生きるというのはほぼ無理です。

そこで指導者や先輩の存在が必要となるのですが、彼らのアドヴァイスを理解するのもまた今の自分なので、結局今できるようになりたいという気持ちが勝ってしまえば同じことになります。

この先どうなるかも分からない状態で回り道するより、今楽しい方がいいに決まってます。

だから「アリとキリギリス」の話を知っているのに、人はキリギリスを目指してしまいます。

 

今しか見えていないと将来頭打ちになってしまう可能性があるのは分かったと思います。

では視野を広げるにはどうすればいいか?

これには他力と自力があります。

他力は、誰かに習うことです。

ただ、僕が言うのもなんですが、こちらはあまりおすすめしません。

いくら尊敬できる先生でも、他人の言うことを盲信すると危険だからです。

では自力で視野を広げるには?

それは、歴史を知ることです。

例えば「奢れる者は久しからず」という事例を知っていれば、それを自分と周囲に当てはめて考えることができるようになります。

何年も身を潜めて力を蓄え、後に政権を転覆したなどという話も沢山あります。

ただ、歴史から学ぶこともまた時間がかかります。

とりあえずこの記事を読んで思うところがあった方は、良くも悪くも今の状態が全てじゃないってことを頭に入れておきましょう。

今が最高な人は必ずどこかで落ちていきますし、今くすぶっている人は力を付けておけばどこかで華開くでしょう。