皆さんはミュージシャンのプロフィールをどう読んでいますか?
「どうと言われても、そのままだよ…」というあなた、まんまとミュージシャンにしてやられてますよw
そう、ミュージシャンのプロフィールはだいたい盛られてます。
ということで、今日はミュージシャン目線でミュージシャンがどうやってプロフを盛るか、読者はどんなところに気を付けて読んだらいいかをお教えします。
まず始めに、ミュージシャンの名誉のために言っておきますが、学歴とかは基本的に盛りません。
それだと学歴詐ショーン……詐称になりますからね。
そこは鵜呑みにして大丈夫です。
まずはこれ。
例えば、「ファーストアルバム<******>が話題となる」など。
さらっと読めば「ふ~ん」とちょっと関心したりしますが、突っ込み所は満載です。
どこで、どう、と書いていなければなおさらです。
例えばある日の食卓で、
「ねえ、お父さん。こうちゃんがCD作ったのよ、ほら、凄くない!」
「んん……まあ…後で聞くよ(新聞ファサッ)。それよりお前、就職の方はどうした」
「それは25まで待ってくれるって言ったじゃんか!頑張ってアルバム作ったんだから聞いてよ父さん」
「そうよねえ、こうちゃん偉いわあ。あ、そうだ、徳島のおばあちゃんにも一枚送ってあげなくちゃ!後でもう一枚買うからね」
というのも立派に話題になっています。
同義語に「注目を集める」があります。
出ましたw
「師事」と書かれてあるといかにも長年にわたり師弟関係を結んできたと勘違いしてしまいますが、実際はそんなことはありません。
音大の授業を一コマ取っていただけ、とか、ワークショップを一回受けただけ、とか、ひどいのになると、生徒をとっていない有名アーティストから強引にレッスンをとりつけて「師事した」ことにする人もいます。
就活生の実績作りと同じです。
学生時代からそのへん見越してやってるミュージシャンの卵はいっぱいいましたよ(不思議とそういう人は名前聞かなくなりますが)。
とはいえ、ミュージシャンやるにはそれぐらいのバイタリティは必要かもしれません。
よくプロフに共演者の名前を連ねている人がいます。
有名人や聞いたことのあるミュージシャンの名前がたくさん出てくると、それだけですごい人に思えてきます。
これも嘘ではないでしょう。
ただ、競演という言葉のニュアンスを広くとる必要があります。
ライブを一度やったのならまだいい方で、対バンしたとか、同じイベントに出演したとか、中にはセッションしただけで「競演」とプロフに入れる人もいるでしょう。
プロフィールに、「年間ライブ200本」とか「年間レコーディング件数100件」とか書いている人がいます。
確かに、数字がバーンと出てくるとインパクトがあり、一瞬すげー!と騙されてしまいます。
もちろん、これも盛ってます。
といっても嘘ではなく、恐らくキャリアの中で一番忙しかったときの数字でしょう。
そこそこの年齢のミュージシャンなら音楽バブルを経験しているでしょうし、CDが売れ、業界に金があった古き良き時代には今では信じられないほど仕事があったのは事実です。
だからそのときの派手な仕事っぷりを書いておけば、今の人たちは「すげー!」となりますよね。
あと、本当に年間200本とかやってる人はプロフには書かないです。
ライブ本数をわざわざ数えるということ自体、それを自慢したい、ライブの多さを公表して虚勢を張りたい、そうしなければならない何かがあるということです。
講師がよくやる手ですね。
音楽講師は、生徒さんに有名人がいるとやはり箔が違ってきます。
いかにもその先生の教え方が素晴らしく、その人に習えば自分も同じように有名になれるのではないかと夢想してしまいます。
しかし実際は、学校の必修授業で一コマとってただけとか、数ヶ月習っただけだったりします。
しかも、教えていたときはそれほど仲いいわけでもなかったのに、生徒が有名になると急にすり寄って記念写真(証拠写真)をたくさん撮ったり、逸話を公開したり。
こういう人は本当にいます。
僕はこういった手口が大嫌いなので、絶対にしません。
生徒さんでメジャーにいった人もいるし、既に名のあるミュージシャンが習いに来たりしますけど、相手が自分から「八幡に習った」と公言しないかぎり、一切口外しません。
最後に、当然「じゃあお前のプロフは盛りなしなのかよ!」となるので、ネタバレしておきます。
ミック・グッドリックには、ラボ(複数生徒が同時受講する誰でもとれるクラス)で一コマ習っただけでした。
あと、モハメド・カマラに習ったのも一コマだけです。
さーせん。
(ミックは今はプロフに書いてませんが、カマラは絶賛記載中)。
でも他は全部本当に本当のことで、盛りは一切ありませんからね!