今回は作曲家、アレンジャー、エンジニア等、クリエイター系ミュージシャンを目指す人へのアドバイスです。
クリエイターに必要な能力は何でしょう?
センス、引き出し、時代性、生産性……
いろいろありますが、その中でもかなり重要かつあまり語られないのが、作品がボツになってもめげない心です。
私見ですが、アマチュアよりもプロのクリエイターの方が作品がボツになる可能性が高いと感じます。
実際にプロになってはじめてボツの洗礼を受け、心が折れて引退したという人を何人も知っています。
死ぬ思いで10曲作ってきたのをプロデューサーにものの5分程度で全曲ボツにされて立ち直れなかったとか……
有名な話だと、かの織田哲郎氏がAKBのために書き下ろした曲があり、それが総選挙後のシングルになる予定だったが、そのときにちょうど指原がはじめて1位となり、これじゃないと織田さんの曲はボツになったそうです。
ちなみに、その織田さんの曲がこちらの「走れペンギン」。
代わりの曲が「恋するフォーチュンクッキー」です。
念のため言っておくと、織田哲郎さんは90年代にプロデューサーとしてヒットを飛ばしまくったJ-POPの重鎮です。
WANDSの「世界が終わるまでは」も織田さんの曲です。
何が言いたいかというと、このレベルのクリエイターでもボツになるんです(結果別枠で採用されましたが、明らかに扱いのランクは落ちた)。
いわんや、新人をや、です。
ちなみに僕自身の経験でいうと、2021年に刊行した「ギタリスト身体論3」にて、
4ヶ月ぐらいで原稿を書き上げて出版社に送った後、「なんか違う」と言われて、結果7割ぐらい書き直しました。
厳密に言うとボツではありませんが、体感的にはそんな感じでした。
何かを創作し、人の手や会社を介して世に出すというのはそういうことです。
何日も徹夜したり、何ヶ月もそれだけのために生活して作った作品を一瞬で「ボツ」「やり直し」と言われるのが当たり前です。
そこで心が折れたらそれまで。
代わりはいくらでもいます。
ボツ宣言の1秒後から『じゃあこうしてやろう、ああしてやろう』と考え、すぐに実行できない人はクリエイターにはなれません。
これからプロのクリエイターを目指す人は、ぜひアマチュアの内にボツにされる体験をしておくべきです。
例えば、きちんと批評してくれる先輩や先生に曲を聴いてもらうとか、何らかのコンペに楽曲をエントリーしてみるとか。
そこでボツ、やり直し、落選などを経験し、心が折れたならもうクリエイターはやめた方がいいでしょう。
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