八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

音楽の仕事を「楽器を演奏すること」としか考えていない人はプロになってから苦労するよ


八幡謙介ギター教室in横浜

アマチュアや学生に多いのが、例えばギターで仕事をする=ギターを弾くことだけだと考えている人。

そして、その考えに則って一生懸命ギターばっかり練習し、プロで通用するレベルには到達したものの、いざ仕事を始めようとしてもどこからもオファーがないという現状を知り呆然とする……

まあだいたいそこからまた動き出すのですが、正直これでは色々と遅いし、場合によっては手遅れになりかねません。

そこで今回は「仕事」とは何を指すのか、ギターならギターを仕事にするために何をしていけばいいのかを解説してみたいと思います。

恐らくフリーの仕事なら全て同じだと思います。

「仕事」までのフローと、どこからが「仕事」か

図は仕事までのフローです。

それぞれをざっくり説明すると、

 

・認識

 自分の存在を認識してもらう。

 誰も自分を知らなければ仕事は来ない。

 

・仮承認

 「たぶんこの人なら大丈夫そうだろう」と思ってもらう。

 「こいつやばそう」と思う人に誰も仕事の依頼などしない。

 

・依頼

 仕事の依頼。

 ここから実務に入る。

 実は細かいマナーやスキルが存在する。

 

・仕事

 ギターならギターを弾く、など実際の仕事を行う。

 

「仕事」の後に「承認」(実際に仕事をして人間性やスキルを認めてもらい、また仕事を貰う)がありますが、その段階は今回はパス。

 

最初に指摘した通り、多くのアマチュア、学生などは①のみが仕事だと思って勉強や練習に励んでいます。

ちょっとカンのいい人なら②まで見えており、依頼が来たときの対応なども考えているでしょう。

ですがそれでもまだ不十分です。

仕事をするために本当に必要なのは③のフローです。

ギターが上手くても依頼の対応がぐだぐだなら相手が不安になるか、もしかしたら白紙になるかもしれないし、依頼対応がちゃんと準備できていたとしても『こいつ大丈夫か?』と思われていたら依頼は来ないし、そもそも誰も自分のことを知らなければ何も始まりません。

今思い返せば、教室の生徒さんでプロになった方は、教えなくても③のフローを意識し、行動できていました。

 

音大、専門学校、教室では①しか教えてくれない

断言しますが、音大や専門学校、その他教室などでは基本的に①しか教えてくれません。

②ですら教えているところは皆無でしょう。

僕もよく「音大出ても仕事ないよ」ということを書きますが、正にそれは①の仕事(ギターのスキル、知識等)のことしか教えてもらえないからです。

音大生は基本音大を出てから世間を知り、②や③について改めて学んでようやくプロとして一人前になっていくのです。

 

ちなみに、当教室「プロ養成コース」は③を全て教えます。

僕が③のフローをどう行ってきたか

では僕自身が③のフローをどう行ってきたかを公表しましょう。

 

・認識

 教則本、ブログ、動画等で自分のことを知ってもらう。

 2024年現在まで教則本9冊、教則DVD1本リリース。

 ブログは2013年から継続。

 

・承認

 上記活動によって「習ってみたい」と思ってもらう。

 誠意を持ってレッスンを行うことで口コミに期待。

 浮ついた活動や怪しげなビジネスをしない。

 生徒からプロを輩出することで実績を出す。

 

・依頼

 迅速、丁寧な対応を心がける。

 SNS時代に対応。

 

・仕事

 生徒様のニーズに応える。

 

僕の場合、「認識」段階が教則本の出版というやや特殊なケースになります。

世代的にSNSが広まったのもプロになってからですしね。

今なら「認識」段階でSNSや動画制作が妥当でしょう。

③のフローは今すぐ始められる

ひとつ朗報です。

①は時間がかかりますが、③のフローは今すぐ誰でも始められます。

「認識」はSNSや動画制作ですぐにスタートできますし、「承認」はそこでアピールする内容を工夫すれば期待できます。

「依頼」についてはビジネスマナーを先に学んでおき、いざ依頼が来たときにそれを使えばOKです。

なのにほとんどのアマチュアや学生は①のことしか考えず、一人でギターならギターばかり練習し、態勢が整ったらようやくSNSで本格的に自己アピールをはじめます。

これでは遅いです。

本気でプロを目指すなら今すぐ自己アピールを始めましょう。

また、同時に一般的なビジネスマナーを学んでおきましょう。

それらが整うまでにじっくりとスキルを磨いておき、いざプロ活動する際には既にある程度知られていて、仕事のマナーも身についているというのが理想です。

今はそれが可能な時代です。

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